性とパートナーシップ
妊娠・育児・性の悩み
孤立した少女を支援する仁藤夢乃さんインタビュー(3)きれい事でない、あなた自身を助ける性教育を
――相手を思っているように見えて、ものすごく無神経な言葉を投げつけているのですね。
「もう一つ、支援者には絶対に言わないでほしいという言葉があります。『親からもらった命なんだから』という言葉です。『死にたい』と言ったり、自傷行為をしたりした子に、『命を粗末にするな。親からもらった大事な命なんだから』と声をかけてしまう人もいる。それは、ただのお説教です。言われた子は『いやいや、その親に殺されかけたんだけど』とか『その親にレイプされ続けているんだけど。あんたには絶対言わないけど』って内心思っているかもしれません。そして心をますます閉ざしていく。そういう想像力のない大人が、無神経な言葉を押しつけてくると、余計死にたい気持ちが強くなると思います」
――望まない性行為を重ねてしまうことも、自傷行為の一種のように受け止めていらっしゃいますね。
「精神科医の松本俊彦先生( 記事 )もよくおっしゃっていますけれども、自傷行為というのは死にたくてしているのではなくて、生き延びるために苦痛を紛らわす方法だということを、私も実感しながら成長してきました。リストカットをしている子もそうですが、売春や不特定多数とのセックスを自傷的に重ねている子も、その背景に、自分が大事にされているという感覚を得られてこなかったということがあります。だからその背景にあるものを変えていったり、その子にとって安心、安全でいられる環境を整えたりして、自分を大事に思ってもいいんだと思える経験や体験を重ねていかないといけないのに、きれい事を言う人は、それにはまったく手をつけない。死にたいと話す子供をいきなり抱きしめて、『そんなもったいないことをしてほしくない』と言うとか、初対面の子供に『生まれるって素晴らしい』『命は素晴らしい』と話すなんて、違和感しかありません。きっとそういう活動をしている人は、いい人で、悪気がないと思うのですが、だからこそ面倒でたちが悪いと言えます」
――こういう問題に取り組み、「私たちは『買われた』展」などをやると、初めてこの問題に気付かされたとハッとした来場者が多かったそうですが、インターネット上ではかなり 誹謗 中傷もあったそうですね。ドキュメンタリーの中で、「女性が性の問題にもの申すとバッシングに遭う」とおっしゃっていましたが、それは今も感じていらっしゃいますか?
「あります。でもこんなふうにバッシングされるとは思っていませんでした。もちろん買春する人やJKビジネスを行う店の経営者から妨害される覚悟はあったのですが、一般の男性からもあれこれ言われるんだと思いましたね。レイプ予告もありましたし、暴力的なポルノのような写真に自分の顔がコラージュされたりしていたこともありました。それから、性の問題について話すと、今まで関係があった人たちの中から、男友達がさーっと距離を置く感じがありました。もしかしたら、自分の中にある加害者性のようなものを否定されるようで怖いのかもしれませんね。それからきっと、『つまんない女』だと思われたのでしょう。私の前で、女性の性をもてあそぶようなことができなくなったから。あのお姉ちゃんのおしりがいいとか、おっぱいがいいとか、普通の社会での関係性でもそういう発言が当たり前に許されていますが、私の前ではもうできないでしょう(笑)」
――そんな発言は飲み会の席などでも多いですね。
「先日、あまり深く知らない知り合いと一緒に飲んだ時に、来ていた男性が、『OLのパンツのにおい』みたいな名前のスプレーをふざけて持ってきたんです」
――仁藤さんのいる席にわざわざそれを持ってきたんですか?
「私の活動のことを知らなかったのでしょうけれども、同席していた女友達も明らかに引いていました。そこで指摘しても良かったのですが、やはり場の空気を壊したらいけないかなと思って黙ってしまって、その後、罪悪感に苦しめられました。こういうことをきちんと指摘しようとする女性に対して、男性は『被害者ぶった女がキーキー叫んでる』と鼻で笑って終わらせようとしている人が多い気がします。『買われた』展についても、『男を加害者にしたがっている』と批判する人もいたし、JKビジネスについても、『女の子が好きでやっていて、男たちを手のひらで転がしてウィンウィンの関係』というとらえ方をしたがる男性はとても多いです。女性が好きでやっている、自己責任だと思い込んだ方が、自分は加害者ではないと思えるからでしょう」
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メディアなどで拝見するたび、可愛らしいお嬢さんですがしっかりしているなと思っていました。(可愛らしくてもしっかりしていて良いのですが、良いギャップということで)
今回の記事もとてもよかったです。
私自身、機能不全家庭に育った娘として、女児の母として共感出来るところが多々ありました。
売春などしていなくても、自分の希望が言えない、自分を大事にすることがまずわからないという気持ちは非常に理解できます。
大事にしてくれる夫と結婚し、自分に娘が生まれ、ようやく自分を大事にすることができ始めました。大事にされた実感や実績を積み重ねないと理解できないんです。
娘を育てながら、自分にやってもらいたかったことをすることで自分も癒しています。30代半ばのおばさんがようやくこんな状態なのですから、今苦しんでいる子供達は毎日生きるのがどれだけ必死でしょうか。体の傷以外に心の傷も見えたら良いのにと思います。加害者側も傷がありそうに思います。それが自分より弱者から搾取する理由にはなりませんが。
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私が、父とよそおじさん、母とよそのおばさんの違いを言葉の意味として理解したのは、小学校5年生でした。生きていく辛さなか何度死のうとしたか、生きていく為に死ぬこと考えたか。幸いにもいろんな人との巡り合わせのなか、どんなに死のうとしてもお腹はすく。じぶんの体、魂は、生きたがっている事を理解しました。今現在色んな事がありましたが、人並みの有り難さ、難しさをしみじみ感じています。子供たちは自分の与えられた環境を生きていくしかありません。子供達普通に人並みに生きていける事を願います。
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いまだに「寝た子はおこすな」的な教育が行われているのですね。40年前から何も変わっていないことに失望します。 性教育がまともにできない社会は...
いまだに「寝た子はおこすな」的な教育が行われているのですね。40年前から何も変わっていないことに失望します。
性教育がまともにできない社会は、男女平等の社会では無いと、なぜきづかないのだろうと思います。
性教育がまともに行えないから、仁藤さんのような方にお願いするのに、そこに枷をつけてどうするのでしょう。教師達は、何も理解していない。仁藤さんに丸投げしたことで、満足しているのでしょうね。
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