わたしの医見
医療・健康・介護のコラム
母への感謝の気持ち、末期がんを告げず
横浜市 会社員男性 61
母は長年、肝硬変を患っていた。かかりつけ医の注意を守り、検査も積極的に受けていた。ある日、足のけがで手術をした。リハビリ施設のある病院に転院した際に受けた検査で、肝臓がんと分かった。すでに末期で余命は4か月。主治医は「好きなことをさせてあげてください」と言った。
入院後しばらくは体調も良く、リハビリを続けた。週末は許可をもらい、一緒に外出した。しかし、半年が過ぎて徐々に体力が落ちた。1年たって気力も食欲もなくなり、余命宣告から1年半後に他界した。
がんであることは最後まで本人に言わなかった。その時が来るまで、精いっぱい過ごすことが大事だと思い、日々接した。それが自分を産んでくれた母への感謝の気持ちだと思って。「ありがとう、お母さん」
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