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高齢者の運転能力、どう見極め…衰えを自覚する難しさ

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高齢者の運転能力、どう見極め…衰えを自覚する難しさ

高齢者安全運転支援研究会の実験で、教習所のコースを運転する参加者。助手席は指導員(神奈川県座間市で)

 高齢ドライバーの認知症対策を強化した改正道路交通法が来月施行される。安全運転への意識が高まるが、自分で運転能力を自覚するのは難しい。どうやってチェックすれば良いのだろうか。

  ■教習所で実験

 昨年12月、神奈川県座間市の自動車教習所で、高齢者の運転能力を調べる実験があった。10分ほどコースを運転してもらい、助手席の指導員が右折や左折、車庫入れなどをチェックした。

 買い物などでよく車を使うという76歳の女性は、直線走行や左折の際、「道路のセンターラインに近寄っている」と指導員に指摘され、「自分では気づかなかった」と驚いた。

 別の日には、認知症ではないが、軽いもの忘れがみられる「軽度認知障害(MCI)」の81歳の男性が参加。縁石に乗り上げる場面もあり、男性は「家族にも言われていたが、免許を返納しようと思う」と肩を落とした。

  ■頭が真っ白に

 実験は、NPO法人「高齢者安全運転支援研究会」(東京)が昨年度から約40人を対象に実施している。詳しい分析は終わっていないが、記憶など認知機能の低下がみられる人は、▽右折のときに対向車との距離がつかめない▽何か一つミスをすると頭が真っ白になる――などの傾向がみられるという。

 ただ、同法人の岩越和紀理事長は、「車自体の運転支援技術も発達し、安全対策が進んで運転が易しくなっていることで、逆にドライバー自身が能力の衰えを実感することが難しくなっている」と話す。

 同法人では、集めたデータを基に運転能力を評価する指標をつくり、運転の振り返りや、認知症の早期発見につなげたい考えだ。

  〈改正道路交通法〉  3月12日に施行。75歳以上のドライバーを対象に、運転免許更新時の検査で「認知症の恐れがある」と判定された場合、医師の診断が義務づけられる。認知症と診断されると、免許取り消しか停止となる。警察庁の資料によると、高齢化に伴い、死亡事故のうち75歳以上のドライバーが起こした件数の割合は、この10年で7.4%から12.8%に増えている。

五つ以上該当は要注意

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 本人や家族が運転を不安に感じたら、どんな方法でチェックすれば良いのか。

 「高齢者安全運転支援研究会」はこれまでの研究結果から、ホームページで30項目の運転チェックリストを公開している。五つ以上当てはまった場合は要注意で、「項目が増えていくようなら、認知症の専門機関への受診を検討してほしい」と呼びかける。

 運転技術を映像で確認できるのが、「ドライブレコーダー」だ。車の前方の映像を記録する装置で、スマホなどで再生できる。2万円前後で、大手のJVCケンウッド(横浜市)によると、「もしもの時に備えて、高齢の親にプレゼントする購入者も多い」という。

 損害保険ジャパン日本興亜(東京)は4月から、自動車保険の加入者を対象に、ドライブレコーダーを無料で提供する。走行データを基に、運転診断やアドバイスも行う。

 オリックス自動車(東京)は、高齢ドライバーの運転状況を離れた家族に知らせる「あんしん運転 Ever Drive」をスタートした。車内に取り付けた機械が急発進や急ブレーキを感知すると、家族にメールで知らせる仕組み。月約3000円で導入時の費用は約1万円。全地球測位システム(GPS)で、現在位置や走行ルートの確認も可能だ。

 (手嶋由梨)

 (2017年2月24日 読売新聞夕刊掲載)

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2件 のコメント

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ATからMTへ

MT

うちの場合は、父親が乗る車をMT車に変えました。もともと父はMTで免許を取っていたので、MT車をスムーズに乗れなくなったら、自分が衰えてきたと認...

うちの場合は、父親が乗る車をMT車に変えました。もともと父はMTで免許を取っていたので、MT車をスムーズに乗れなくなったら、自分が衰えてきたと認識できるし、どんな状況だろうと、アクセルとブレーキを間違えればエンストするだけで、人やお店に突っ込む心配がないからだそうです。

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うちも、そろそろ…。

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高齢者ドライバーによる事故をニュースで目にするたびに、私の父もいつこうなるかわからないなと危機感を持たずにはいられなくなりました。父は、元警察官であったので、そういうことはよく認識してます。でも、いつ事故を起こすかはわからないですし、損保ジャパンの保険加入者に無料でドライブレコーダーを提供というサービスがとてもいいなと思いました。事故を起こせば保険屋さんにお世話になるわけですから、運転診断やアドバイスもいただけるのは助かります‼実家にどこの保険会社か確認してみたいと思いました。

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