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耳ろう孔、手術で取り除きたい

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 両耳に「 ろう こう 」があります。過去には腫れて抗菌薬で治しました。40歳代以降は落ち着いていますが、かゆくなったり、周囲を強く押すと臭い分泌物が出たりします。手術で取り除きたいと思っていますが大丈夫でしょうか。(59歳女性)

皮下の細長い管とともに全摘出

西野 宏 自治医科大学 耳鼻咽喉科教授(栃木県下野市)

 耳の皮膚に小さな あな が見つかることがあります。耳ろう孔と呼ばれるもので、胎児の時に耳が形成される過程で生じた孔です。皮膚の上に見える孔は小さいのですが、孔から皮下に続く細く長い管があるのが特徴です。発生頻度は高く、日本では1~14%と報告されています。大多数は耳の前の縁に生じます。

 多くの場合が無症状です。何らかの原因で感染を起こすと、皮膚が赤く腫れます。感染を生じた急性期には、抗菌薬を投与し、孔を切開してうみを排除します。ただし、感染の症状が治まっても炎症を繰り返す場合が多いこともわかっています。そのため、急性炎症が治まった段階で、中の管を含む耳ろう孔の全摘出術をお勧めしています。

 質問者の状態は最近は比較的落ち着いているようですが、腫れとうみの排除を繰り返すのを考えるとやはり手術をお勧めします。

 手術は局所または全身麻酔下で行います。皮下に伸びる管は枝分かれしています。取り残しがないような工夫をします。〈1〉色素を管に注入〈2〉管にブジーと呼ばれる細い管を挿入〈3〉手術用顕微鏡で拡大――してどこまで続いているか確認します。耳の軟骨を管が貫いていることもあります。その際は管の周囲の軟骨も切除します。周囲の組織を使って耳の変形が目立たないようにします。周囲を比較的広く切除しなくてはならない場合でも、きれいに縫い閉じることができます。

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