科学
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目がいいのに使えない「眼球使用困難症」の方、患者友の会に集合を!
眼球は正常なのに、強烈な
一過性ならまだ我慢できるでしょうが、それが一日中で、しかも来る日も来る日もそうであったら絶望的になるでしょう。
従来、そんな状態は人間の身体(目)には起こりえないと医師たちは考え、そのような症例に出合っても、詐病(病気として偽る)や心因性などとして無視してきたのです。多分、私も20年前は、その仲間であったかと思います。
しかし、神経眼科、心療眼科に特化した外来をするようになってから、その認識は変わりました。
弱い光の下でも眼痛、頭痛をはじめ全身の症状が出現するので、二重にサングラスを装用し、帽子を深くかぶり、中には、光を通しにくい布地を顔に何重にも巻いたり、袋を
その原因はさまざまでも、この状態を「眼球使用困難症」と呼びたいと考えています。おそらく、大半の症例は、無理やり測れば視力などは正常に記録されるでしょうが、日常生活の上では目を当たり前に使用することは困難ですから、明確な視覚障害者です。
このコラムでもたびたび取り上げてきた
1月から、視覚障害認定基準の見直し作業が厚労省で始まりました。第1回の会合の議事録をみても、視力や視野の議論ばかりで、眼球使用困難症などの脳、とくに高次脳が関与する神経眼科的な病態は一切議論の対象になっていません。「
そこで、私は「眼球使用困難」という厳しい状態が確かに存在するのだということを、厚労省、眼科専門医はもとより、一般の方々にも知ってもらい、理解を深めてもらう活動をするために、「眼球使用困難症と闘う患者友の会」(仮称)の結成を呼びかけました。 数人の方がすぐに名乗りを上げました。
おそらく、そのような方々はまだまだ埋もれていると思われ、このコラムを通して呼びかけたいと思います。
ご自分や周囲の方々で該当すると思われる人は、友の会の発起人をしてくださる看護師の大谷美津子氏(kango@chic.ocn.ne.jp)にご連絡いただくか、「目と心の健康相談室」(metokokoro@gmail.com)に問い合わせをいただきたいと思います。(若倉雅登 井上眼科病院名誉院長)
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