文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

宋美玄のママライフ実況中継

コラム

最強の味方! でも衝突も…… 実母というリソース

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
最強の味方! でも衝突も…… 実母というリソース

娘にスケートを教えています

 節分の日に豆まきをしました。娘はあの煎り大豆が大好きなようで、「自分は5つしか食べられないのに、ママは41個も食べられていいね」って言われました。ちなみに、41個も食べられませんでしたけれども。最近はやりの恵方巻きですが、我が家の子供たちの夕食にはなりづらいメニューなので、結局違うものを食べました。大人には楽チンな風習なのですが……。

母の助けで仕事に広がりも

 仕事(本業と副業)と育児でものすごい量のタスク(作業)を抱える私ですが、なんとか両立できているのは、ひとえに実家の母に助けられているからです。父は21年前に他界しているため、母は神戸で一人暮らしをしています。地元では妹たちの子供の面倒をみていますが、東京にも月に2週間くらい来て、家事や育児を手伝ってくれます。

 母が来てくれる間に当直勤務や遠方への出張を入れています。夫には2日続けて夜通し子供をみてもらうのは難しいので、母がいることで仕事の幅が広がっています。心から感謝しています。

 もしも母にしてもらっていることを全て外注したら、ものすごい金額になって、我が家では負担するのが難しいほどになるでしょう。共働き家庭でも、どちらかの実家に助けてもらえるかどうかで仕事と育児の両立の大変さはかなり違ってくるようです。親の健康と余裕、そして良好な関係性があって初めて恩恵が受けられる貴重なリソース(資源)です。

教育方針、夫婦関係にも口出しが……

 しかし、いいことばかりではありません。実母に育児のサポートをしてもらっている女性からよく聞かれるのが、「実母は最強の味方ではあるけれど、距離が近すぎて 軋轢(あつれき) が生じやすい」ということです。私自身も当てはまります。いろいろと気軽にお願いする分、育児や教育方針、果ては夫婦関係にまで口を出されることもあります。

 また、母が育児に疲れてくると、私が仕事に (いそ) しんでいることを「子供を放ったらかして、好きなことばっかりして!」と言われます。そして、子供に「ママもパパも好きなことばっかりしてるのよ」と吹き込むので、子供が親の仕事に対してネガティブなイメージを持ちかけたことがありました。

 思えば専業主婦の母に「娘には自立してほしい。手に職をつけなさい」と言われて育ち、仕事を続けているのに、「好きなことばっかりして」と言われる日が来るとは……。また、最終的に自分の意見が通らないと「子供の面倒をみない」と言い出し、押し通そうとするのは本当にストレスです。

 そんな時はやはり母に頼るのはやめて、私と夫とシッターさんで乗り切った方が気分的に楽かもしれない、などと思ったりするのですが、ここへ来て、母の体調に異変が起きてしまいました。合計6人の孫を抱っこし続けたせいか、膝を痛めてしまい、サポーターをつけてようやく歩ける状態です。それでもなんとか子供たちの世話をしてくれているのですが、68歳という母の年齢を考えると、いつまでも今までのように最強の味方でいつづけてはくれないことを悟らざるを得ません。そればかりか、いずれは介護が必要になるかもしれない。そう考えると、今まではやはり 贅沢(ぜいたく) だったんだと思えてきました。

親に頼らなくても両立できるインフラ整備を

 高齢出産をすると、親も年を取っています(夫は私より年上で、夫の両親は母よりだいぶ上です)。高齢出産の親から生まれた子供たちが次世代を産む場合、普通の年齢で産んでも親はそれなりに高齢になってしまいます。私と妹たちのように離れた土地で同時に子育てをしているケースも多いでしょう。近い将来に「じいじ」「ばあば」に頼らなくても、子育てと仕事が両立できるようなインフラができてくれるといいのですが……。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

son_n_400

宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)。

宋美玄のママライフ実況中継の一覧を見る

3件 のコメント

コメントを書く

全く同意見です

あい

仕事を続けられている人の多くが、祖父母の協力があると実感しています。 残業ありきの仕事の設定で、時短どころか定時で帰るだけでもお荷物扱い。 それ...

仕事を続けられている人の多くが、祖父母の協力があると実感しています。
残業ありきの仕事の設定で、時短どころか定時で帰るだけでもお荷物扱い。
それどころか時短でも残業できなくても仕事量を考慮されなかったり。
保育や育児の問題ではなく、労働の問題であると思います。
それが解決しないのに、2人目を考えられないというより、現実的にはそのための夫婦関係が維持できないというのも問題ですけど…。
子どもを見てくれるインフラがないから仕事ができない、というレベルから、夫婦の時間を持てない、というレベルに達するのはいつになるんでしょうか。
気が遠くなります。

つづきを読む

違反報告

両立のインフラ

iamiam

両親に頼るのは、これからの社会ではどんどん難しくなっていくのでしょうね。因みに私達は両親が遠方のため、頼りはファミリーサポートセンターとシルバー...

両親に頼るのは、これからの社会ではどんどん難しくなっていくのでしょうね。因みに私達は両親が遠方のため、頼りはファミリーサポートセンターとシルバー人材センターのサポーターさんたち。ほぼ毎日、家事育児で来ていただいています。裕福な家庭ではないので、貯蓄は全くできません。
近所にたまたま助けていただける方達がいたという幸運の上に成り立っている毎日です。
保育園は近所に祖父母がいれば入りにくいし、入園後も両親ともに仕事の日でなければ預かってもらえません。育児うつ、虐待、少子化って真剣に議論されているのか?疑わしくなります。50年前の育児環境と今じゃ様変わりしてるのに。そのままのシステムでは無理ですよね。それを訴え続けて行きたいので、日々体現しながら戦ってます(笑)娘達の将来の育児環境のためにも。

つづきを読む

違反報告

将来の覚悟も必要

エリ

ジジババに子育てを助けてもらうということは、 それだけ身近に住んでいることであり、また助けてもらった恩があるということ。 この先、その老親に介護...

ジジババに子育てを助けてもらうということは、
それだけ身近に住んでいることであり、また助けてもらった恩があるということ。
この先、その老親に介護が必要となった場合は、その恩に報いるために
それ相応の負担を覚悟しなければならないでしょう。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、ヨミウリ・オンライン(YOL)、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事