文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

医療部発

コラム

患者・市民が一緒に『医療費』を考える会

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
rf41340415_o

 自分や家族が病気になったとき、最初に何を考えるでしょう?

 まず、思い浮かぶのは「治療がうまくいくだろうか」「どうしたら良く治るか」ということではないでしょうか。

 「お金=医療費」のことを気にするのは、大きな手術、高額な薬の使用などに直面してから、という人が多いのではないか、と思います。ましてや、「国の医療保険制度の厳しい財政状況」や「国の医療費の有効な使い方」のことまで考えている人は、正直それほどいないのではないでしょうか。

 でも、実は、5年前から、そういうことを考え、議論している患者さんと医療者らの会があります。

 「受療者医療保険学術連合会(受保連)」という会です。

 全国腎臓病協議会、全国心臓病の子どもを守る会など、13患者団体と、約25人の医療者などが参加し、医療保険の「受益と負担のバランス」について考える勉強会を定期的に開いています(受保連のホームページは、 http://www.sapph.jp/index.html )。

 理事の田倉智之・東京大特任教授(前大阪大教授、医療経済施策学)は、「従来の患者会活動は、病気別の団体が各々『自分たちに支援を!』と訴えるケースも多かった。でも、少子高齢化、医療の高度化で、医療費が年々高騰し財政が厳しくなるなか、『国民皆保険をいかに維持するか』という危機意識が高まり、患者さんの中にも、『自分たちの要求をぶつけるだけではダメだ』と制度全体に目を向ける人たちが出てきた、ということだと思います」と言います。

 病気の枠を超えて、みんなが納得できる医療費の使い方を、冷静に考えていこうということですが、実際に取り上げるのはシビアな問題です。

 公的医療保険の財源が不足した時、何らかの制限を受け入れられるか――。

 2013年に受保連が在宅医療を受ける患者・家族約250人を対象に行った調査では、自己負担の増額につながる「給付額の制限」を許容する人が45%に上った一方で、「制限を拒む」という回答も34%に上りました。田倉特任教授は「なるべく負担を低くしておきたいという願いと、制度を守るためには多少の負担増はやむを得ないという認識の間で、揺れる患者・家族の心情がうかがえる結果」と考察していました。

 現実に、今年8月には、70歳以上の高額療養費の上限額引き上げも始まりますが、みなさんは、どのようにお感じになっていますでしょうか。

 ご愛読いただいている「医療ルネサンス」の今年の年間テーマは「いのちの値段」です。

 「高齢世代の医療とお金」の現状、課題を取り上げるにあたり、体験談を募集しております(詳しくは こちら )。

 ぜひ生の声を寄せていただければ幸いです。よろしくお願い致します。

医療部・高橋圭史

50_70

高橋圭史

2005年から医療情報部、2011年から社会保障部、2013年から医療部。がん、生活習慣病、医療政策、こころの病気、高齢者問題などを取材。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

医療部発12最終300-300

読売新聞東京本社編集局 医療部

1997年に、医療分野を専門に取材する部署としてスタート。2013年4月に部の名称が「医療情報部」から「医療部」に変りました。長期連載「医療ルネサンス」の反響などについて、医療部の記者が交替で執筆します。

医療部発の一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、ヨミウリ・オンライン(YOL)、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事