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小泉記者のボストン便り

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玉石混交なネット上の健康情報 米国の事情

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トランプ新大統領が誕生 翌日には大規模デモも

玉石混交なネット上の健康情報 米国の事情

小雨が降る中、就任式の様子を映し出す大型モニターに見入る支持者たち(20日、ワシントンDCで)

 1月20日、ドナルド・トランプ氏が第45代米国大統領に就任しました。なかなかない機会なので、就任式に合わせてワシントンを訪ね、当日は就任式が行われた連邦議会議事堂前の公園「ナショナル・モール」で、特設の大型スクリーンに映し出される式の模様を見ました。

 会場近くには警備のためにフェンスが張り巡らされ、一部の反対派が過激な言葉で抗議を繰り返す姿も見られるなど物々しい雰囲気でしたが、ワシントン郊外に住む知人は「2009年と13年のオバマ大統領の就任式の時に比べたらずいぶん人が少ない」と話していました。確かに当日、公園に入る前のセキュリティーにはとても長い列ができていましたが、会場に入ると、予想していたよりは人は多くなく、私がいた区画では余裕があるように感じました。

 会場では「選挙戦中は近隣州のトランプ氏の集会に欠かさず出席した」と話すフロリダ州の男性(58)のように熱烈な支持者の姿が目立ちましたが、スクリーンに民主党の指名候補をクリントン氏と争ったバーニー・サンダース上院議員の姿が映し出されたときにも大きな歓声が上がり、国内外から様々な立場の人が参加していることがわかりました。

 就任式後には一部の反対派が暴徒化して逮捕者が出る事態になりましたが、それとは対照的に会場に集まった人たちはおおむね友好的でした。「RESIST(レジスト、抵抗する)」というプラカードを掲げていた反対派の女性たちにトランプ支持者の男性が近寄り、「どういうメッセージが込められているの?」と話しかけ、トランプ氏の政策について話し合う場面を見たのが印象的でした。

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通りを埋め尽くしたデモの参加者たち(21日、ワシントンDCで)

 穏やかな印象の就任式から一転、翌21日の全米各地から集まった女性たちによる抗議デモ「女性の行進」の規模には圧倒されました。集合場所の大通りは、トレードマークのピンク色の帽子をかぶった人たちで埋め尽くされ、前日に就任式を見守った広場や周辺の大通りにまで人があふれていました。行進といっても、前にも後ろにも進むことができない状況でした。若者の姿も多くみられ、ペンシルベニア州から友人と駆け付けた女子大学生(20)は、「移民や、医療保険の政策など今後心配なことはたくさんある。ここに来たのは国民の間の分断を深めるためではなく、私たちの声にも耳を傾けてほしいという思いから」と話していました。就任式から約10日で様々な動きがありましたが、中東やアフリカの7か国の国民の入国を一時制限する大統領令については、大学での研究活動や留学などへの影響も懸念され、学生の間でも不安が高まっています。今後も政権の動向から目が離せません。

インターネット上にあふれる偽情報

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ワシントン中心部を行進する参加者たち(21日、ワシントンDCで)

 大統領選ではインターネットのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)であるフェイスブックやツイッターにフェイク(虚偽)ニュースがあふれ、米国内で大きな問題になりました。「クリントン氏が慈善事業の名目で集めた資金を100%私的に流用している」などと虚偽のニュースが流れましたが、米政府はこれらをロシアが組織的に拡散させていたと断じ、偽ニュースがトランプ氏の当選を後押ししたとの指摘も出ています。大学でも「どの情報を信じればいいのか」と様々な形で議論になりました。一方のトランプ氏は、自身に批判的なメディアを「偽ニュース」と呼び、就任式の参加者数を少なく報じたなどと主張しています。報道官も「もう一つの真実(オルタナティブ・ファクト)」として、過去最多の人出だったと強調するなど、別の文脈でも情報の信頼性が話題になっています。日本でも、医療情報をまとめたサイト「WELQ(ウェルク)」が、いい加減な医療情報を多数掲載していたとして休止に追い込まれました。

 そこで、今回は、インターネット上にあふれる健康情報をどのように受け取ればよいのかについて、ハーバード大学公衆衛生大学院のK.ビシュワナシュ教授にインタビューしました。教授は、健康情報の格差をなくし、健康に関する正しい情報をすべての人に届けるための方法について様々な研究に取り組み、同大学院のヘルスコミュニケーション専攻長のほか、様々ながんの研究機関で要職を務めています(英語:http://www.viswanathlab.org/index.php/people/dr-viswanath)。特に健康についての情報を見極める方法や、発信する側が気を付けるポイントについて伺いました。

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koizumi

小泉 朋子(こいずみ・ともこ)
2003年読売新聞東京本社入社。金沢支局、編成部を経て、2009年から社会部。10年から厚労省担当となり、生活保護受給者の増加の背景を探る「連載・生活保護」や認知症の人を取り巻く状況を取り上げた「認知症」などの連載を担当。13年から司法クラブで東京地・高裁、最高裁を取材し、「認知症と賠償 最高裁判決へ」「隔離の後に ハンセン病の20年」の連載など担当。2016年7月からハーバード大学公衆衛生大学院に研究員として留学中。

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