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需要高まる配食サービス…高齢者の食生活を支える

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需要高まる配食サービス…高齢者の食生活を支える

マンションに住む高齢者にお弁当を届ける後藤さん。高齢化が進む中、配食サービスの需要は増している(東京都北区で)

 高齢者の自宅に食事を届ける配食サービスの需要が高まっている。一人暮らしだったり、日々の買い物に出掛けるのが困難だったりする人が増えているためだ。高まるニーズを受けて、厚生労働省は3月にも、事業者向けに栄養管理に関するガイドラインを公表する予定だ。

  ■きめ細かな対応

 東京都北区の団地で一人暮らしをする男性(83)は5年前から週7回、配食サービスを利用している。「柔らかめのご飯を詰めてくれたり、苦手な魚や鶏肉以外のおかずを用意してくれたりと、きめ細かに対応してくれるので、助かります」と話す。

 男性が利用しているのは、配食事業を展開する株式会社シルバーライフ(東京)の「まごころ弁当王子荒川店」。1食あたり519円(税抜き)で、月約1万7000円の出費だが、「光熱費や自炊の手間を考えるとお得」という。店長の後藤誠さん(37)は、都内の荒川区と北区で毎日約140食を配達しており、「顧客には70~80歳代の高齢者が多い」と話す。

 玄関先で直接手渡すという宅配の特徴を生かして、見守りにも取り組んでいる。後藤さんは、「薬の飲み忘れがないかどうか声かけをしたり、高齢者を狙った悪徳商法を防ぐためのパンフレットを手渡したりと、離れて暮らす家族の代わりに様子を把握する役目も担っています」と話す。

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  ■拡大続ける市場

 一人暮らしのお年寄りの増える中、配食サービス市場は拡大を続けている。矢野経済研究所(東京)の調査によると、2014年度は1050億円。5年前の1.8倍になった。国立社会保障・人口問題研究所によると、65歳以上の高齢者は25年に約3657万人で、独居高齢者も15年度よりも約100万世帯増えて、約700万世帯になる。

 在宅で暮らす高齢者やその家族を対象にした厚労省の調査研究(12~14年度)によると、「食事の内容や準備などに心配がある」としているのは約4割に上った。一般社団法人「全国老人給食協力会」の平野覚治専務理事は、「高齢による運転免許の返納などで、買い物が困難になる人は今後さらに増える」と指摘。「食事を毎日届ける配食事業は、高齢者の生活を支える重要な手段になる」と話している。

  〈配食サービス〉  お弁当や総菜などを定期的に自宅に届ける民間サービス。コンビニや食品メーカーなども参入している。1週間分をまとめて注文する形態のほか、1日単位で頼めるところもある。低カロリー食や、のみ込みが困難な人向けのメニューを用意する業者もある。

 値段に幅はあるが、1食500円程度が多い。原則として介護保険は使えないが、自治体によっては、利用者に対する補助もある。

事業者向けの指針、策定へ

 

 厚生労働省は3月、配食サービスの事業者向けにガイドライン(指針)を策定する方針だ。栄養管理が不十分な食事を出すなど、一部に課題のあるケースもあるためで、栄養管理された献立の作り方などを盛り込む方針だ。2016年7月、専門家による会議を設置し、議論を進めている。

 会議に提出された国立研究開発法人「医薬基盤・健康・栄養研究所」の調査結果(12年)によると、栄養士や管理栄養士を置いていない事業者は、NPOやボランティア団体で約4割、民間企業で約1割に上り、中には栄養士がいないのに減塩食の提供をうたうなど不自然なケースも見られた。同省の担当者は、「配食を単なる弁当とだけ考えるのではなく、病気や介護が必要な状態になるのを予防する食事として意識してもらうためにも、栄養管理の徹底を求める手引きが必要」としている。

 (板垣茂良)

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