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室伏由佳のほっこりスポーツカフェへようこそ

コラム

お風呂とコンディショニング! 寒い冬の習慣、体を温める(上)

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 寒い冬、皆さんどんなふうに体を温めていますか? 今回のカフェは「ほっこり」系のコラムです。

 お風呂の習慣、皆さんはあるでしょうか。そして、どんな入浴方法を楽しんでいますか? 私は、高校生ごろまではお風呂に かっていましたが、大学生になったころから、社会人選手となった25歳ごろまではあまりお風呂に浸かる習慣がなくなっていました。シャワーが中心。髪の毛や体を洗い、お風呂場で「用事を済ませる」と、さっさと退室。当時はアスリート生活真っ ただ 中でした。

 コーチである父から、「疲れを取るためにも、お風呂に浸かったほうがいいぞ」と言われ、私が「練習の疲れが取れない」とこぼすたびに、「湯にしっかり浸かるように」としばしば言われていたのですが……。当時は、お風呂の楽しみ方が分からず、お湯に浸かってジッとしているのが我慢ならなかったようです。面倒に思い、習慣になりませんでした。そのため、自分に適した温度や入浴時間が分かりませんでした。

  実業団選手として活動しているとき、仲間のアスリートから「長風呂をして、汗を出すようにしている!」という話を聞きました。その選手の競技は跳躍種目でしたが、少しでも体を軽くして跳びやすい感覚を継続したい、ということでウェートコントロールの一部として行っていたようです。もちろん、お風呂に入れば痩せられる、ということではないとおもいます。

 食事への配慮や、有酸素運動をしながら、自分の競技の上達に向けて頑張っていました。お風呂はその一部、コンディショニング(自己調整)の位置づけだったのだと思います。毎日30~60分、かなりの時間浸かっているようでしたが、よく聞くと半身浴で、のぼせすぎないように工夫をしていました。音楽を聴きながら、本を読みながら、何だか楽しそうでした。「私もいつか、やってみようかな……」なんて思いながら、その後、26歳ごろからようやく習慣的に15~30分の入浴をするようになります。2004年、アテネ・オリンピックに出場する前年だったと思います。

お風呂とコンディショニング! 寒い冬の習慣、体を温める(上)

写真1

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写真2

 湯に浸かることは、実は「なんとなく」スタートしたのですが、「始めたからにはやり抜こう」というアスリート魂(根性?)のおかげで継続できました。「なにか体調面の改善など、手ごたえを感じるまでは」と思いながらの継続でした。友人を 真似まね して、音楽を聴いたり、本を読んだり、楽しみながら入浴を続けました。それがきっかけで、引退後の現在も20~30分ほど入浴する習慣を持っています。ちなみに、このコラムは今、お風呂の中で書いていたりします……(笑)。猫ちゃんが遊びに来て蓋の上に乗ったりして、楽しい入浴です(写真1,2)。いまや、お風呂は私にとって、とても充実した大切な空間です。

 「お風呂の習慣」を身に付けようと思ったのは、私なりにいろいろな理由がありましたが、その一つは「冷え性」ということでした。冷えてこわばった体を、その時々でお風呂で温め、和らげたいと思っていました。円盤投げやハンマー投げは、指先を繊細に使って投げ出す競技でもあります。春先や秋に入る季節は手足の末端が冷え切って、投げるのに苦労しました。もちろん、冬場のトレーニングは屋外で投げ込みますので、全身冷え切って、手足の指先などの感覚がなくなることが多かったです。

 アスリート時代は、起床した直後、体を起こす前に体温を測り、記録を付けたこともあります。基礎体温の変化は、女性にとっては体調を把握するバロメーターになることもあるかもしれません。数か月続けてみたところ、私の体温は低い時で35.4度、かなり練習を追い込み、筋肉痛や疲労度が高い時には、36.7~36.8度ぐらいありました。1度以上体温が変動すると気だるさを感じ、コンディションは不調であると認識していました。検温を続けた結果、私の調子のよい体温は、36.2~36.3度ぐらいだと感じていました。体温が低い時は、当然温めると気持ちよくなり、「ほっこり」します。風邪などの症状ではない限りですが、たとえば、疲れで体温が少し高めになっているときでも、いつも通りの入浴を続けるようにしています。何となく調子が悪い時でも、少し緩和され、スッキリすると感じられます。

 今週はこのあたりで。次回も、また「ほっこり」入浴の続きを書きたいと思います。みなさん、体の芯から温めて、コンディションを調整してくださいね!

 それでは、また次回のカフェでお会いしましょう!

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室伏由佳(むろふし・ゆか)

 1977年、静岡県生まれ・愛知県出身。株式会社attainment代表取締役。2004年アテネオリンピック女子ハンマー投げ日本代表。円盤投げ、ハンマー投げ2種目の日本記録保持者(2016年4月現在)。12年9月引退。

 アスリート時代には慢性的な腰痛症などスポーツ障害や婦人科疾患などの疾病と向き合う。06年中京大学体育学研究科博士課程後期満期退学(体育学修士)。スポーツ心理学の分野でスポーツ現場における実践的な介入をテーマに研究。現在、スポーツとアンチ・ドーピング教育についてテーマを広げ、研究活動を継続。現在、上武大学客員教授、朝日大学客員准教授や、聖マリアンナ医科大学スポーツ医学講座、徳島大学医学部、中央大学法学部など、複数の大学において非常勤講師を務める。スポーツと医学のつながり、モチベーション、健康等をテーマに講義や講演活動を行っている。日本陸上競技連盟普及育成部委員、日本アンチ・ドーピング機構アスリート委員、国際陸上競技連盟指導者資格レベルIコーチ資格、JPICA日本ピラティス指導者協会公認指導師。著書に『腰痛完治の最短プロセス~セルフチェックでわかる7つの原因と治し方~』(角川書店/西良浩一・室伏 由佳)。

公式ウェブサイトはこちら

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1件 のコメント

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怪我と付き合いながら結果を出すために

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受

今回までのコラムを合わせて読んでいくことで、室伏さんの障害までの道筋がだいたい分かりました。 フォームを模索し、怪我と付き合いながら、数字も出し...

今回までのコラムを合わせて読んでいくことで、室伏さんの障害までの道筋がだいたい分かりました。

フォームを模索し、怪我と付き合いながら、数字も出し続けないといけないわけで、あっちを庇い、こっちを庇いやっているうちに、腰が一番痛んだということではないかと思います。

「将来どうなるか?」
「こうすれば、次の試合で結果が出せる。」

短期と中長期の結果や日々の充実感のさじ加減は難しいです。
より多くの人により楽しいスポーツを考えるのであれば、特にそうだと思います。

サッカーもそうですが、自分の中の要因と外部要因のすり合わせはなかなか大変です。

プロサッカー選手でも海外移籍して半年以内に怪我する話は多いです。

それだけ、「どんな場所でも自分を出す」というのは難しい事ですが、自分も指導者も、その周りの人間もそこまで見えている人ばかりではありませんし、なんとなくの空気感というものはあります。

現実問題、そこまで個人にカスタマイズしたトレーナーやドクターについてもらうことは普通の人には難しいので、そういう意味でも、日記や練習の記録をつけていくことは大事だと思います。

昨今の医療検査は進歩していますが、それでも、自然治癒や環境適応を持つ人間の体の多面的な評価はなかなかに難しいものです。

そういう意味でもトップアスリートの方が、自分の中に起こった出来事を淡々と書かれると、説得力があるし、参考になります。

ちなみに、シャワーとバスタブについては、どちらを推奨する選手もいるようです。
少し性質が違うので、使い分けだと思います。

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