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「給付型」の奨学金って、どんな制度なの?

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返済不要、進学諦めないで

「給付型」の奨学金って、どんな制度なの?

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「給付型」の

奨学金って

どんな制度なの?

 大学への進学にはお金がかかるよね。親の収入が低かったり、親を頼れなかったりする生徒の中には、学費を自分で用意しなければならない人がいる。学力も意欲もあるのに、お金がなくて進学を諦めざるを得ないこともあるんだ。

 学費の助けになるのが奨学金だけど、国の今の奨学金は貸し出しが基本だから、後で返さなければいけない。進学して家を出れば学費のほかに家賃もかかるし、切りつめても数百万円は必要。その多くを借り入れでまかなえば、返済が大変だ。そこで国は、経済的に恵まれない生徒の大学、短大、高専(4、5年)、専門学校への進学を後押しするため、2017年度から、返さなくていい奨学金を始めることにしたんだ。これが給付型奨学金だよ。

 対象は、親などが生活保護を受けている世帯や、住民税が非課税の世帯の子どもなど。17年度は、自宅以外から私立に通う人や、児童養護施設から出た人など、特に経済的に厳しい人への支援を先行的に行う。

 給付額は、自宅以外から私立なら月4万円。児童養護施設を出た人らには、国公立なら月3万円、私立なら4万円のほか、入学金分24万円が1回だけ支給される。1年目の17年度は、約2800人への給付を見込んでいて、基金を作って在学する4年間分の費用を準備しておく方針だ。

 18年度からは対象を広げ、自宅から通う人などへの支援も始まる。自宅から国公立の人は月2万円、自宅以外から国公立の人と自宅から私立の人は3万円だ。給付を受けられる生徒は2万人になるんだって。

 対象者は、成績や部活動での成果などから高校側が選んで推薦するんだ。人数の枠は、支援が必要な生徒の割合が多い高校に手厚く配分する。

 国は、経済的に支援が必要な人は1学年に6万人余りいると推計している。給付型奨学金だけではカバーしきれない。17年度からは、以前からある貸し出し型の奨学金でも、無利子貸与の枠が拡大されるんだ。今の無利子貸与は一定以上の成績の人に限っているけれど、この絞り込みはやめる予定だよ。(中村剛)

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 「猫ピッチャー」の作者、そにしけんじさんの話「社会保障は難しいイメージもありますが、実は身近で大切な問題。若い人も含めて、自分たちの生活を考えるきっかけにしてほしいです」

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