宋美玄のママライフ実況中継
医療・健康・介護のコラム
受精卵無断移植のニュース 確認徹底にも落とし穴が
あけましておめでとうございます。元日に娘は5歳の誕生日を迎えました。誕生日には東京ディズニーシーに行きました。5歳になったら抱っこは卒業だよと言っていたのに、やっぱり弟が抱っこされているのを見ると、自分もしてほしくなるみたいです。息子が1歳になっても赤ちゃん返りが全然直らないので、そろそろ不安になってきました。来年はとうとう小学生になるのですが、それまでに落ち着いてくれますように。
息子は相変わらず、よく食べよく眠ってニコニコしていますが、立ったりしゃべったりする気配はまだありません。ゆっくり成長を楽しむことにします。
先週の報道です。
別居中に受精卵無断移植…奈良、男性が元妻と病院提訴
凍結保存していた夫婦の受精卵を別居中に無断移植され精神的苦痛を受けたとして、奈良県在住の外国籍の男性(45)が、離婚した妻(45)と奈良市内の婦人科クリニックに2000万円の損害賠償を求め、先月30日に奈良地裁に提訴したことがわかった。移植の結果、女児が誕生しており、男性は親子関係がないことの確認を求めて奈良家裁でも争っている。
(2017年1月5日 読売新聞)
凍結していた受精卵を、別居中の夫に無断で移植し、子供が出生したことについて、夫だった男性が親子関係と精神的苦痛についてそれぞれ提訴しているという報道です。民法は、婚姻中に懐胎した子供は夫の子であると推定していますが、パートナーシップのあり方や生殖医療の進歩などに民法が対応できていないことは以前から問題となっています。今回は、既に出生している子供の生物学的な父親が親子関係を否定したがっているという悲しい事態になっています。
再発防止策 不妊治療カップルの利便性を損なう恐れも
今回の報道を見ると、不妊治療施設がするべき確認を怠ったことが問題だとされています。確かに突き詰めると、移植のたびに確認をすれば防げた事態だと言えます。
しかし、当該クリニックを批判して済む問題ではなく、生殖医療を受けるカップル全員に影響する事柄だと思います。現実の生殖医療の現場でそれを完全に徹底するとなると、それはそれで多くの人に不利益が生じることが予想されます。現在は事実婚でも体外受精や顕微受精が受けられますが、婚姻関係や事実婚の確認方法は施設によって差があるようです。戸籍や住民票を確認するとした場合、移植のたびに確認することはなかなか現実的ではありません。
たとえ書類で確認しても、その後に婚姻や事実婚が解消されていたことを施設側が知らなかった、というケースは起こり得ます。妻や夫の同意書のサインも、来院して目の前で書いてもらわなくては代筆や 捏造 の可能性もあります。
また、夫だとして来院した男性が本人に相違ないかを確認するのが難しいケースもあるでしょう。自宅で夫が採取したという精子を妻が持参した場合、それが第三者のものではないことを確認する方法はありません。かといって、必ず夫が来院して、施設内で精子を採取するということを徹底した場合、ただでさえ仕事などで忙しい中、不妊治療を行っているカップルの利便性が著しく損なわれることになります。
実際、こういった本人確認や同意の確認が緩い施設をわざわざ選ぶ患者も少なからずいるので、今回のようなケースをゼロにするために水も漏らさぬ確認体制を全国で徹底すると、患者さんたちには大層な不便をかけることになるのではないでしょうか。再発を防止しながら、利便性も保たれるシステムがあるといいのですが。
生まれてきた子供の利益を最優先に
こちらのブログでも何度か取り上げた通り、生殖医療の普及により家族関係の問題や生命倫理の問題が生じています。今回のケースについては、何よりも生まれてきた子供にとって最もよいことは何かという視点で司法判断がなされることを望みます。
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どうなんでしょうね。。。
たかが1日休めない夫が父親になる覚悟が有るとは思えない。
高度不妊治療には莫大な公費による補助金が出ます。税金ですよ!もっと社会にも生まれる命にも重い責任が有ると思います。なので毎回の確認作業が重荷な訳がないでしょう?
今回の例はこの女性は重い制裁を受けるべきだし医療機関も責任を追うべきだと思います。
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不妊治療は単に病気を治療するのではなく,人一人をこの世に産み出す行為です。利便性よりも大事なことがあるはずです。必ず男性も来院することを徹底し当事者意識と負担を共有するほうが,不妊治療は女性だけのものという風潮もなくなると思います。
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小説、漫画、ドラマなどで、そういうシュチュエーションが取り上げられている事があります。
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