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脳卒中死亡率に最大2.5倍の地域格差…最高は男性が岩手県宮古、女性が秋田県湯沢・雄勝

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初の全国2次医療圏データまとまる

脳卒中死亡率に最大2.5倍の地域格差…最高は男性が岩手県宮古、女性が秋田県湯沢・雄勝

 年間11万人もの命を奪っている脳卒中(脳梗塞や脳内出血などの脳血管疾患)。埴岡健一・国際医療福祉大学大学院教授は、全国344の「2次医療圏」ごとに、年齢構成などを補正した後の脳卒中の死亡率(標準化死亡比)を割り出し、男女とも、最大約2.5倍の地域格差があることがわかった。1月10日発売の『中央公論』2月号で全リストを公表した。

 2次医療圏は緊急治療などの一般的な医療サービスを提供するエリアで、脳卒中に関して、2次医療圏ごとの死亡率が明らかになるのは初めて。

 脳卒中は、特に寒い朝には、血圧が上がって発症するケースが多く、注意が必要で、発症したら直ちに病院に行き適切な処置をしないと、命に関わったり後遺症が残ったりする。患者の搬送体制、受け入れ医療機関までのアクセス時間、医療機関の設備や医師の技量が文字通り致命的に重要となる。

 調査によると、男性でいえば、全国を100として示す死亡率は、最低の大阪府豊能(池田市、箕面市及び周辺部)が67.2なのに対し、最高の岩手県宮古(宮古市及び周辺部)では167.9だった。女性では、最低が香川県小豆(小豆郡)の62.6、最高が秋田県湯沢・雄勝(湯沢市、羽後町など)の160.6だった。

 脳卒中のリスク要因は、喫煙習慣や塩分の取り過ぎによる高血圧などが知られ、死亡率も塩分摂取が多い東北などで概して高い。しかし、東京・西多摩地区や栃木、茨城などにも高い地域がある。

 同じ都道府県内でも、地域によって格差が生じている。例えば福井県の男性死亡率は、都道府県単位では低い方から5位と優良だが、2次医療圏で比較すると、丹南(鯖江市、越前市及び周辺部)の79.5に対し、隣接する奥越(大野市、勝山市)が128.9と1.6倍も格差があった。

 こうした格差がどこから生じるのかについて、医療ジャーナリストの福島安紀氏は、同2月号の「東北だけじゃない!なぜ、西多摩、茨城、栃木は死亡率が高いのか」の中で、医療体制の差が反映している可能性を強く示唆している。また、予後のクオリティー・オブ・ライフを大きく左右するリハビリ機関の状況についてのルポも掲載されている。

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