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医療部発

医療・健康・介護のコラム

読者の健康相談コーナーでうれしい反響

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 日曜日の朝刊くらし面に掲載されている企画「からだの質問箱」を担当しています。読者からの健康相談に、専門医の先生に執筆形式で回答していただくコーナーです。このたび「質問箱」あてに、うれしいお便りを2通いただきました。

 1通目は、2015年3月、脳の深い部分で血管が神経を圧迫してけいれんが起きる「片側顔面けいれん」という病気について相談を寄せてくださったAさん(50歳代女性)からのお手紙。「紙面で回答をいただいたことで、私の人生は好転しました」とつづってありました。

 元々の相談内容は「顔のけいれん症状に悩まされ、注射や (はり) の施術などの対症療法でしのぐ日々に限界を感じる」という内容でした。三井記念病院(東京)の脳神経外科医、尼崎賢一先生に執筆をお願いし、一般的な病気の説明と、「根治療法として手術を受ける場合は熟練した専門医の下で受けるのが望ましい」という回答をいただき、紙面で紹介しました。

 お手紙には、掲載後の経過が記されていました。Aさんはその後、遠路上京され、尼崎医師を受診。手術を決断され、脳の深部で血管を離して固定する治療を受けたそうです。手術から1年、現在、症状はほとんどなくなり、「けいれんが出ていた患部が左右のどちら側だったかも忘れてしまいそうになるほどです」と経過を報告してくださいました。尼崎先生の丁寧なインフォームド・コンセント(説明と同意)が安心感につながり、落ち着いた心持ちで手術にも臨めた、とも書いてありました。

 主治医の尼崎先生は、「新聞に投稿した者です」とAさんが受診された時、大変驚いたそうです。掲載後、しばらくたってからも、切り取った記事を握りしめ、受診される患者さんも複数おられるとのこと。Aさんからいただいた報告のお手紙がきっかけで、新聞への様々な反響にふれることができ、担当者として、とてもうれしく思いました。

 もう1通は、知的障害のある娘さん(30歳代)の婦人科疾患の相談をくださったお母さんからのお手紙でした。元々の相談は、「 (ちつ) のできものをどうすればいいか」というデリケートな内容。娘さんは極度の病院恐怖症で、「病院にはとても連れて行けず、保健師さんに聞くぐらいしか手立てがありません」と、困っておられました。回答を執筆してくださったのは、産業医科大学(福岡)の産婦人科医、川越俊典先生。相談内容への回答とともに、「お母さんに直接伝えてあげてください」と、別途、メッセージをくださいました。

 川越先生は、障害があったり幼かったりしてパニックを起こしてしまう場合は、クリニックよりも総合病院を受診し、適切に麻酔をかける処置を施したうえで治療する選択肢もある、ということを記事の中で書いて下さいました。追加のメッセージでは、今回の相談内容にとどまらず、娘さんやお母さんが不安にならないよう、現場で医療スタッフがどのような流れで、どんな診察をしているのか、具体的に教えてくれました。この先、また医療の助けが必要となるでしょう。その時に、娘さんにとっても苦痛が少なく、かつお母さんにとってなるべく苦労が少ない方法で受診できるよう、様々なコツを伝授してくださった川越先生のお心遣いに、お母さんはとても感謝されていました。その後、膣のできものも無事切除できたそうです。

  数多(あまた) の病院があるなかで、自分にとって最良の治療・医師を探し当てるのは容易なことではありません。医療部の取材では、医師と患者の双方にお話を聞きます。患者さんのお話からは、医師とうまくコミュニケーションが取れずに悩む姿、信頼できる主治医の下で安心して治療を受けている事例などが垣間見えます。患者思いの先生方のお話を聞くにつけ、「患者さんには、こういう先生にぜひ出会ってほしい」と強く感じます。原稿を書く際は、新聞の向こう側にいる患者さんにとって記事が少しでも助けになるように、能動的な受診、納得のいく治療につながるように……という願いを込めています。今回届いた2通のお手紙は、コーナーの担当者として大きな励みとなりました。

 日頃、コーナーに届く相談は、身近な症状から深刻な病気まで様々です。一通一通の重みを受け止めながら、これからも「からだの質問箱」を担当していければと思います。

佐々木栄
2013年9月から医療部。これまでに取材したテーマは、がん、肝炎対策など。大阪社会部では連載「約束~若年性乳がんを生きて」「性暴力を問う」を担当した。
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医療部発12最終300-300

読売新聞東京本社編集局 医療部

1997年に、医療分野を専門に取材する部署としてスタート。2013年4月に部の名称が「医療情報部」から「医療部」に変りました。長期連載「医療ルネサンス」の反響などについて、医療部の記者が交替で執筆します。

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