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短命県から学ぶ健康

からだコラム

[短命県から学ぶ健康]健康は自分自身の手で

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 青森の短命や日本の長寿を分析して分かったことがあります。それは、生活習慣だけでは寿命を説明できないということです。健康診断や病院の受診率が低いことも短命の原因です。でも、その根底に何か問題があるはずです。

 マスコミでは、いつも青森県民がカップラーメンを食べ過ぎて短命だ、みたいな取り上げ方がされます。「じゃあ、どうしてそうなんですか?」という突っ込みはあまりありません。視聴率が取れないからでしょう。

 2013年に青森市で第1回平均寿命サミットを開催しました。長野、沖縄、青森の各県の関係者が健康づくりを話し合いました。

 そこで改めて気づいたことがあります。3県ともに、喫煙、多量飲酒などの害や、野菜摂取、運動の励行を訴えていました。ただ、もうそれらはわかりきったことなのです。問題は、喫煙率や多量飲酒者の割合が都道府県でなぜ違うのかということです。

 寿命対策のあり方は民主主義のそれに似ています。プライマリーヘルスケアという健康づくりの概念がありますが、これはリンカーンの演説「市民の市民による市民のための政治」に似ています。つまり、「市民の市民による市民のための健康(対策)」です。誰でも健康になる権利を持っていますが、結局は自分自身の手で健康を獲得しなければなりません。

 健康について教養を身につけ、行動を起こすことが大切です。健康は、天から降ってきません。

 リーダーの役割は、みんなが健康教養を身につけるのを支援することです。自治体も、大学も、医師会もそのリーダーです。

 プライマリーヘルスケアが機能しているか、つまり根元に水をやれているのかどうかが平均寿命の都道府県格差につながります。

 (中路重之・弘前大学教授)

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