わたしの医見
医療・健康・介護のコラム
懸命のリハビリも再び入院…胸中は「無念」か
浜松市西区 主婦 53
直腸がんの手術後、脳梗塞を起こして左手足にまひが残った83歳の父は、「家に帰りたい」という一心でリハビリに懸命に取り組んだ。4か月間の闘病生活を経て老人保健施設に移ったが、2週間余りで再び病院に戻った。重い胆管炎を起こしたのだ。
この間、父は下痢や胃痛を看護師に訴えていたが、施設側は「医師がいるので大丈夫」と言うだけ。入院しても、こちらが病状を伝えるまで、見舞いにも来ない。来たと思ったら、帰り際に「ご愁傷さまでした」。間違えるにもほどがある。
父は、胃ろうで少量の栄養を取るだけで、話もできないほど衰弱してしまった。大きく目を見開き、天井を見続けている父の胸中には、何が去来しているのだろうか。「無念」の2文字だとすれば、いたたまれない気持ちになる。
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予後についての医師の説明が不足です
miikun
83歳の男性が直腸がんの術後に脳梗塞を起こすことは珍しくありません。 リハビリの後に胆管炎を起こすこともしばしば経験します。 再入院をきっかけに...
83歳の男性が直腸がんの術後に脳梗塞を起こすことは珍しくありません。
リハビリの後に胆管炎を起こすこともしばしば経験します。
再入院をきっかけに衰弱がすすみ食事が摂れなくなるのも自然の経過です。
いずれも病院や老健の職員にとっては見慣れた光景です。
問題はやはり「医師がいるので大丈夫」という言葉です。
老健の職員にとってはいつものことで、特に驚くことでもなかったでしょう。
そこでつい大丈夫という言葉を使ってしまったのかも知れません。
しかし家族にしてみれば「大丈夫」と言われてもその真意は分からなかったでしょう。
ここはやはり「ご高齢で持病もありますので、次第に衰弱することは避けられません」などと、はっきりした医師の一言があるべきでした。
「大丈夫」という言葉の使い方については、2016年9月26日付のわたしの医見「医師の発言、患者がおびえるのを楽しむ?」についての私のコメントもご参照下さい。
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