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鼻水の放置 中耳炎の原因…鼻のかみ方 片方ずつ小刻み
冬が本格化し、子どもの鼻水に手を焼く親が多いだろう。鼻水は風邪の一症状であると同時に、放っておくと、中耳炎を引き起こすこともある。鼻水をすすらず、小さいうちから正しい方法でかむ癖を身につけさせたい。
埼玉県草加市の主婦(34)は、3歳の長男が鼻を上手にかめずに困っている。「ティッシュを渡して『チーンして』と言っても、鼻の下の辺りを拭くだけで、鼻から息を出せない」と話す。
■2歳過ぎたら練習
岩武耳鼻咽喉科医院(神奈川県鎌倉市)院長の岩武博也さんは、「ひとりで鼻をかめるようになる年齢には個人差があるが、目安として2歳を過ぎたら、親と一緒に練習してほしい」と話す。岩武さんが勧めるのは、例えばティッシュを鼻先に垂らし、「フン」と鼻息を吐いて動かす練習だ。子どもによっては、できるまでに時間がかかることもあるので、親は焦らず、遊び感覚でできるよう、サポートしたい。
ただし、意識して鼻息を出せても、正しいかみ方を知らなければ意味がない。大王製紙(東京)が今年初め、15歳以下の子を持つ母親1000人に行ったインターネット調査によると、母親の5割、子どもの6割が正しく鼻をかめていなかった。子どもに鼻のかみ方を教えたことがある母親の約3割は、間違ったかみ方を教えていたという。
■力入れると痛み、鼻血
岩武さんによると、片方の小鼻を押さえてもう一方をかむなど、片方ずつ小刻みにそっとかむのが、正しい鼻のかみ方だ。強くかむと耳が痛くなったり、鼻血が出たりする。
「大事なのは、鼻をすすらず、こまめにかむ癖をつけさせることです」と話すのは、アリス耳鼻咽喉科(千葉市)院長の工藤典代さん。
工藤さんによると、そもそも鼻水は、鼻から吸い込んだ空気に湿り気を加えるために分泌される。通常の分泌量なら問題ないが、細菌やウイルスなどの異物が入ってくると、それを流し出そうと多量に出てくる。水っぽくて透明の鼻水が出れば、恐らくは風邪の症状だ。一方、黄色や緑で粘り気のある鼻水なら、
副
「一番よくないのは、鼻水を軽く考えて放っておくこと」と工藤さん。鼻づまりで鼻呼吸ができなくなると、集中力がなくなったり、口呼吸でのどを痛めたりする。鼻をかまないで、いつまでも鼻水をためておけば、鼻の中で有害な細菌などが繁殖するおそれがある。その鼻水が中耳に入り込み、中耳炎を引き起こす例も多い。
工藤さんは、「鼻水を垂らしていない子も注意は必要。鼻ばかりいじって落ち着かない子だと思っていたら、アレルギー性鼻炎だったということもある。おかしいなと思ったら、早めに耳鼻科を受診して」と話している。
副鼻腔炎 鼻の奥にある骨で囲まれた空洞「副鼻腔」に細菌などが侵入することで起こる。内部の粘膜が炎症を起こして膨れあがるなどし、鼻づまりや頭痛の原因となる。慢性化したものは「蓄のう症」の名で知られ、子どもにも多く見られる。治療に手術が必要な場合も。
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