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短命県から学ぶ健康

からだコラム

[短命県から学ぶ健康]日本人の長寿の理由

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 日本人は長生きです。特に女性。

 例えば、2015年の国勢調査で90歳の女性の人口は29万人でした。彼女たちが生まれた1925年の女性の出生数は103万人で、このうち乳児死亡数(14万人)を差し引いた89万人のなんと3割強が90歳を迎えた計算になります。

 各都道府県の平均寿命を考えるためには、同時に日本人の長寿を分析する必要があります。

 死亡統計からみれば、日本人は各年代、どの死因(脳卒中を除けば)の死亡率も世界で最も低い国と言えます。

 日本人は比較的スリムです。低カロリー、低脂肪、高食物繊維の日本食が役立っています。日本食は、食材、調理法(なま、焼く、煮る、蒸す、 いた めるなど)ともに多彩で、栄養のバランスに富んでいます。

 日本人にはアルコールを解毒する酵素の働きが弱い人が多く、アルコール摂取量が欧米人(ほとんどが酵素の働きが強い)より少ないことも、寿命にとってみれば幸いしています。

 男性の喫煙率はさておき(それでも近年著しく低下)、女性の喫煙率は欧米先進国より低く、明らかに長寿に貢献しています。

 日本の保健・保険・医療制度は世界的に見ても悪くありません。医師数が欧米先進国より少ないのに、日本の医療レベルが高いことは周知の事実です。

 近年悲惨な殺人事件が多く、格差社会も叫ばれていますが、外国と比べると顕著とは言えません。

 このような要素を下支えしているのは、日本の高い経済力と、穏やかで平等を尊び、健康に関心を寄せる国民性だと思います。総合力で勝ち得た世界一です。

 さて、読者の皆さん気が付きましたか? 日本人の長寿の理由の逆さが実は青森県の短命の理由なのです。

 (中路重之・弘前大学教授)

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