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3件 のコメント

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患者の疾患理解の過程と心理のメカニズム

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受

一部薬剤の薬局解禁に続き、セルフメディケーション税制が始まりました。
メリットもデメリットもありますが、デメリットとしては患者の心理と強く結びついた疾患モデル(疾患理解)が誤っているときにどんどん病状が悪化する可能性があるということです。
(そこに旧来の1次医療機関とかかりつけ薬局の競合の問題も重なる危険性があります。)

母乳と人工乳の論争なんかが典型ですが、理想(理論的ベスト)と現実(多数の答えから選ぶベター)な答えは違いますし、それを理解できる心や頭の余裕があるかどうかも難しい問題です。

忙しい人間ほど判断が雑になりやすいのは難しい部分です。

軽症救急と重症救急の住み分けの問題もそうですが、「どういう時に医療機関を受診するのか?」という議論も大事になりそうです。

「対症療法薬が効くか効かないか」というのも、一つの社会的基準で正しいとは思いますが、対症療法薬の効果やプラセボ効果で一旦治った経験がかえって疾患理解モデルや症状をこじらせることもあり、難しいです。

多分、そういう疾患の理解の過程や心理のメカニズムの勉強をするのが、患者にも医師にも求められてくるんでしょうね。

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医療と商業の吉向店

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受

診断書を改ざんして、うその治療を行ったクリニックの逮捕者のニュースが出ました。

「それ、売れそう」の典型だと思います。
今後は逮捕者も増えるんじゃないかと思います。
理由は医師以外の医療者も含めて誠実な1次診療マーケットの飽和と対策の遅れです。
(2次や3次の医療機関にも問題があります。)

そういう意味でも、混合診療の解禁や自由診療マーケットの拡張は仕方のない部分ではないかと思います。

先日、インフルエンザ治療薬の効きすぎの症状の話を耳にしました。
よりきめ細やかな診断治療に対し、お金や感謝などが発生しなければ、たぶんモラルハザードは悪化すると思います。

「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉がありますが、目に見える健康被害が増えれば一般人や警察が動くインセンティブが発生して、抑止力が形成されるのではないかと思います。

もしも、性病と投薬以上の偽診療が横行すれば、殺人医療と言われてもおかしくなくなるでしょう。

医療は残念ながら不健康と言う、人のある一面での不幸が仕事になる難しさがあります。

人間の宿命で、全ての不正をただすことは不可能でしょうが、新たな組織やシステムの出現を誘導することは可能だと思います。

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医療情報の真実と嘘に対抗するために

寺田次郎関西医大放射線科不名誉享受

バルサルタン捏造論文の理由の一つが「それ、売れそう」でした。
まあ、まともな医療って、あまり儲からないので、仕方ないんですよね。
良い薬は使用上の注意を良く守らないとかえって毒になります。

「医学はサイエンスに支えられたアートである」と言いますが、言い換えれば、政治経済にしばしば負けるものでもあります。
(医師目線としても、健康な生活を支える政治経済もそれ相応に大事です。)

実際、医療は健康な人にはそこまで必要ありませんし、市場の飽和ゆえに、見逃された不健康(ヘルスプロモーションや予防医学)や難病分野の開拓が進んでいるともいえます。

そういう意味でも、よろしくない情報源に警告を発するよりも、それなりに正しいと思われる情報を積み重ねて発信していくしかないのではないかと思います。

そうでないと、悪意はなくても、更新される最新医療情報との兼ね合いも難しくなります。

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