はつらつ健康指南
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麦つくだ煮とドライおから…シニアの「食物繊維」摂取
ひとり暮らしのシニア世代に取ってほしい栄養素や料理法を、料理研究家で栄養士の浜内千波さんに聞く。3回目は「食物繊維」について。手軽に取れるアイデアを教わった。
食物繊維は、腸内の「掃除係」ともいえる栄養素だ。不溶性と水溶性があり、いずれも腸内環境を整え、善玉菌を増やす。
不溶性食物繊維は、腸内から不要なものを排出するのに役立つ。ゴボウやサツマイモなどに多く含まれている。水溶性食物繊維は、食後の血糖値の急上昇を抑える働きなどがある。ヌルヌルとしたオクラなどに豊富に含まれる。
ひとり暮らしでは、これらの野菜をたくさん取るのは難しい。浜内さんは「効率的に取れる食材があります」と話す。
その一つが、大麦の一種「もち麦」だ。不溶性、水溶性、両方の食物繊維を豊富に含んでいる。ご飯と一緒に炊いて麦ご飯にすることが多いが、「甘辛く煮詰め、つくだ煮にすれば、白いご飯のお供にぴったりです」。
もち麦はあらかじめ熱湯でゆでて「ゆで麦」にしておく。小分けにしてラップで包み冷凍保存すると便利だ。電子レンジで解凍し、スープやサラダなどにも使える。
ゆで麦は、もち麦特有のプチプチとした、粘り気のある食感が癖になる。甘辛く味付けたつくだ煮は、食欲も刺激する。
浜内さんが薦める、もう一つの食材は「ドライおから」。「乾燥おから」「おからパウダー」といった名前でも市販されている。おからを乾燥させたもので、生のおからよりも食物繊維が効率的に取れる。
そのままスープやヨーグルトなどに混ぜてもいいが、いりゴマやカツオ節などと混ぜると、風味豊かなふりかけになる。「ドレッシングの代わりにサラダにかけても。お好みでオリーブオイルを加えてもおいしいですよ」
ゆで麦のつくだ煮も、ドライおからのふりかけも、気軽に使えて、食事のアクセントになる。
「おひとり様シニア」に向けた料理の紹介は今回が最終回。浜内さんは「何歳になっても、『いただきます』で始まり『ごちそうさま』で終わる、きちんとした食事の時間を大切に持ちましょう。それが心身の健康につながります」と呼びかけている。(大石由佳子)
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