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患者たちの悲願届いた 改正がん対策基本法成立に喜びの声

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患者たちの悲願届いた 改正がん対策基本法成立に喜びの声

改正がん対策基本法の成立を求め、アピールするがん患者団体の代表ら。法改正は悲願だった(2日、東京・築地の国立がん研究センターで。石塚人生撮影)

 がん患者の雇用継続などを盛り込んだ改正がん対策基本法が9日、衆院本会議で可決され、成立した。同法施行から来年4月で10年。治療によって社会で活躍する患者が増えていることを受け、患者らへの新たな支援策を明記した。法改正の旗振り役となった全国がん患者団体連合会は「がんを社会の課題としてとらえ、環境整備を目指す内容で、大きな前進」と評価している。

 同法の改正は初めて。改正法は、がん患者の雇用継続について「配慮に努める」と事業主の責務を定めた。また、がんで治療を受ける子どもが学業を続けられるよう国などが環境整備などを行うとした。

 一般社団法人CSRプロジェクト(東京)の桜井なおみ代表理事は、がんと診断された段階で従業員を解雇する職場の実態などを調査し、国に改善を働きかけてきた。「職場のだれもが患者になってもおかしくない。治療しながら働き続ける選択が当たり前になるきっかけになる」と話す。

 改正法には、治療が困難な「難治性がん」、患者が少ない「希少がん」について研究の推進が明記された。難治性がんの一つ、スキルス胃がんだった夫の (とどろき) 哲也さん(当時54歳)を今年8月に亡くした妻の浩美さん(54)は「難治性がんに光が当たる」と歓迎する。

 轟さん夫婦は2年前、スキルス胃がんの患者会「希望の会」を結成し、患者の家族を含めた支援を行っていた。浩美さんは「難治性、希少がんを後回しにしないことは、すべてのがん患者、家族の希望になる」と話す。

 検診でがんの疑いが指摘されても精密検査を受けない人がいるため、国などが対策を取ることも盛り込まれた。国立がん研究センターの若尾文彦・がん対策情報センター長は「検診の効果が上がり、死亡率の減少につながる」と期待している。

 ◆改正がん対策基本法の主なポイント

 ○小児がんの子どもが学業を続けるための環境整備

 ○検診でがんの疑いがある人の受診促進

 ○診断時からの緩和ケア、良質なリハビリの提供

 ○希少がん、難治性がんの研究推進

 ○事業者の責務として、患者の雇用継続への配慮を明記

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