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育休ってなに?希望通り取れるの?
男性や非正規は取りづらく


育休ってなに?
希望通り取れるの?
会社などで働いているお母さんやお父さんが、子育てに専念できるように仕事を休める「育児休業」のことだよ。原則、子どもが1歳になるまで休めるけれど、1歳になっても保育所がいっぱいで預けられない時は1歳半まで取れる。1歳半でも保育所に預けられない人もいるから、国はもっとのばすことも検討している。
育休中は、給料が出ない代わりに「育児休業給付金」がもらえる。企業と労働者がお金を出し合う雇用保険などからお金が出るんだ。もらえる金額は、最初の半年は給料の3分の2、それ以降は半分だよ。
育休は、出産をきっかけに仕事をやめる女性が多いことが問題になって、1992年に法律で制度化された。1年以上、勤めているなどの条件を満たす社員から「育休を取りたい」と頼まれたら、会社は認めないといけない。会社をクビにしたり、給料を下げたりといった嫌がらせをすることは禁止されている。
でも、希望通りにみんなが育休を取れているとは言えないのが現状だ。例えば男性だね。昨年度は出産した女性従業員の81・5%が育休を取ったけれど、妻が出産した男性従業員はたった2・65%。女性の半数以上は10か月以上取っているのに、男性は半数以上が5日未満しか取っていない。
女性ばかりに子育ての負担が偏ると、女性が仕事で活躍しにくいよね。国は、男性の育休取得率を2020年までに13%まで引き上げようとしているけれど、あまり増えていない。育休を望む男性は少なくないのに、「子育ては女性がするもの」という意識が社会に根強く、職場の理解が得られないことなどが原因だ。
パートなどの非正規で働く女性も思うように育休を取れず、「妊娠を報告したら会社を辞めさせられた」という人も少なくない。だから、来年1月からは非正規の人が育休を取りやすいように制度が変わるんだ。
自営業の人はそもそも育休制度の対象外で、育児に専念して働けない時期は収入がなくなってしまうのも問題だ。安心して仕事も子育てもできる環境ができると良いね。(田中ひろみ)
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