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[心に栄養](3)影響し合う脳と腸

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 「脳腸相関」という言葉をご存じだろうか。脳と腸は影響し合い、腸が健康だと脳も健康になるという考え方だ。近年の研究で、腸内細菌群が腸を介して脳に影響を与え、脳も腸を介して腸内細菌群に影響を与える可能性が指摘されている。

[心に栄養](3)影響し合う脳と腸

 脳のストレスが腸に影響することを端的に示すのが、満員電車に乗る度に腹痛が起こったりする過敏性腸症候群だ。腸管には問題がないのに、緊張する場面で腹痛や下痢が起こったり、便秘や腹部膨満感が続いたりする。この病気の患者は、成人の10~15%にも上ると言われている。

 この患者は、腸内細菌のバランスが乱れている例が多いことも知られるようになった。国立精神・神経医療研究センター疾病研究第三部部長の 功刀くぬぎ 浩さんは「過敏性腸症候群の患者の腸内では、ビフィズス菌などの善玉菌が減っていたり、クロストリジウムなどの悪玉菌が増えていたりするという報告がある。腸内細菌のバランスが乱れると、腹痛などが起こりやすくなり、それが強いストレスとなって、腸内細菌のバランスが更に乱れる悪循環に陥ると考えられる」と話す。

 腸内細菌の状態は、うつ症状にも関係する可能性がある。乳酸菌やビフィズス菌を1か月間摂取した人は、摂取していない人と比べて、うつや不安などが明らかに減少したという報告がある。

 ストレスだらけの日常を健やかに過ごすには、乳酸菌を含む発酵食品をきちんととることが大切だ。功刀さんは「食物繊維やオリゴ糖など、善玉菌の栄養となる食品の摂取も心がけてほしい」と話す。(佐藤光展)

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