13歳息子「膝離断性骨軟骨炎」
サッカー部の息子(13)は数年前から膝に痛みがあり、「膝離断性骨軟骨炎」と診断され、部活や体育を休んでいます。また運動させてやりたいです。治療や復帰に向けての注意点を教えてください。(40歳女性)
まず病気の進み具合を確認
武田 芳嗣 徳島赤十字病院 第一整形外科部長(徳島県小松島市)
膝離断性骨軟骨炎は、関節の軟骨とその下の骨の一部が周辺から分離し、進行すると関節内に脱落する疾患です。原因は明らかではありませんが、運動で関節に繰り返し力が加わることが大きく影響すると考えられています。
治療は病気の進み具合(病期)によって異なります。完全に分離していない初期では、運動の休止を続けることでほとんどが治ります。しかし、3か月ぐらい運動を休んでも全くエックス線画像やMRI(磁気共鳴画像)で治る傾向が認められない場合や、すでに分離が完成してしまっている場合は手術が必要となります。
幸い成長期で見つかるものは初期であることが多く、運動の休止で治癒が期待できます。ただし治癒までには半年から1年以上かかることも少なくありません。痛みが消えたからといって必ずしも治ったとは言い切れません。主治医の許可が下りるまでは運動を再開せず、開始後も徐々に負荷を上げていくことが大切です。
その間は上半身や体幹、悪くない方の下肢のトレーニングをしっかり行いましょう。既に初期の段階を過ぎて進行している場合は、保存的治療で治すのが難しいので、適切な時期に手術を考える必要があります。
相談者の息子さんのケースでは、まず病期を主治医に確認することをお勧めします。きっちり治療すれば元のように運動できるので、焦らずに治療することが大事です。