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ピルの副作用心配、再服用迷う

 4年前に子宮内膜症・卵巣 嚢胞のうほう と診断され、ピル(保険適用)を2年間飲みました。症状が安定し、今は休薬中ですが、医師は服用継続を勧めます。ピルは静脈血栓症などの副作用が報告されていて、再開を迷っています。(30歳女性)

静脈血栓症の正しい知識を

北村 邦夫 日本家族計画協会 クリニック所長(東京都新宿区)

 子宮内膜症を原因とした卵巣嚢胞は「チョコレート嚢胞」と呼ばれます。 腫瘤しゅりゅう が比較的小さい、悪性でない、破裂や感染の危険性がないことが確認されれば、保険適用のあるピル(低用量エストロゲン、プロゲスチン配合薬)などの薬物療法が行われます。

 ピル服用による静脈血栓症が心配とのことですが、肥満、高齢、喫煙者、血栓症の家族歴がある、手術などで長期間、体を動かせない――などに該当しなければ、それほど心配するには及びません。ピル服用者は、服用していない女性に比べて血栓症発症率は年間約2倍になりますが、妊娠した場合はピル服用者の約2倍、産後12週目では約10倍で、妊娠の方がはるかに血栓症のリスクが高いのです。

 国連の調査では、婚姻・ 同棲どうせい 関係にある女性の避妊薬・ピルの使用率は、フランスやオランダでは40%超ですが、日本では筆者が調査したところ、3%にとどまっています。

 血栓症の兆候となるふくらはぎの痛み、息苦しさなどの症状を見逃さないよう正しい知識を持っていれば安全に安心して服用できます。医学的理由で服用禁止とならなければ、閉経まで飲み続けても問題はありません。

 ただし、チョコレート嚢胞から卵巣がんになる危険性は年齢とともに高まります。検査の結果、手術を選択することもあります。妊娠を望むか否かで治療法が変わるので、今後も主治医とよく相談してください。

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