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公的年金って、どんな仕組み?
現役世代が高齢者支える
公的年金って
どんな仕組み?
公的年金は、国が運営している年金制度だよ。民間保険会社の個人年金のように自分のために積み立てるのでなく、現役世代がみんなでお金(保険料)を出し合って、お年寄りに「仕送り」をする仕組みなんだ。年をとると、多くの人は働いて稼ぐ力が衰える。その時のために社会全体で助け合うんだ。
公的年金は「2階建ての家」にたとえられる。1階は「国民年金」や「基礎年金」と呼ばれ、20~59歳の全国民に加入が義務づけられている。2階は「厚生年金」といって、会社員や公務員など雇われて働く人が、国民年金に上乗せして加入しなければならない。
そして、老後に要件を満たせば年金を受け取れるよ。原則、基礎年金が65歳から、厚生年金は60~65歳に受け取り始める。亡くなるまで支給されるのも大きなメリットなんだ。
基礎年金の額は加入期間の長さに比例する。20~59歳までの40年間、欠かさず保険料を納めた人は現在、月約6万5000円受け取っている。ただ、保険料を納めなかった期間がある人も多く、基礎年金だけもらっている人の平均額は月約5万円だ。厚生年金の額は、加入期間の長さと、働いていた時の賃金額に応じて決まる。平均すると受給額は月約15万6000円(基礎年金を含む)だ。
「公的年金って、お年寄りのためのものでしょ」と思っている人が多いが、そうではないんだ。病気やけがで重い障害を負った時、一家の大黒柱を亡くした時にも支給される。これらは若い人でも、条件に当てはまれば受け取れる。
また、現役世代は、公的年金制度があるおかげで、自分の親の老後の心配が軽くなっているとも言える。
ただ、少子高齢化で年金の財政は厳しい。保険料を納める現役世代が減り、年金を受け取る高齢者が増えていくからなんだ。若い世代が将来受け取る年金の水準は、今の高齢者に比べて低下せざるを得ない。
国は、将来世代の年金水準があまり下がらないよう対策を立てている。現在の高齢者の年金が今後、少し減る可能性がある。(安田武晴)
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