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鼻水はなぜ出る?

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異物排出、鼻の防衛反応

鼻水はなぜ出る?

 風邪をひいたりアレルギー性の鼻炎になったりすると、止まらなくなる鼻水。鼻水が出やすい今の季節、どうして出るのかを探った。

 そもそも鼻は、においをかぐ、呼吸をする以外に、どんな役割があるのか。「様々な役割を担っています」と、日本医科大教授で同大武蔵小杉病院耳鼻咽喉科部長の松根彰志さん。「例えば鼻から吸った空気が肺に送られる前に、適切な温度や湿度になるよう調整するエアコンのような機能や、吸い込んだ空気中に含まれる異物を取り除くフィルターのような機能があります」と説明する。

 フィルター機能が働く上で重要なのが、鼻の中の粘膜を覆う粘液だ。粘液は粘膜の内部にある鼻腺という器官で作られ、普段から粘膜を湿った状態に保っている。「この粘液が、 鼻腔びくう に侵入した異物を吸着する働きをします」

 吸着した異物を含む粘液は、粘膜の表面にある 線毛せんもう と呼ばれる微細な毛のような組織の規則的な動きにより、鼻の奥でつながる喉へと押し流される。異物入りの粘液の大部分はのみ込んでしまい胃液で消化されるか、せきとともに「たん」として口から吐き出されることもある。

 ところが細菌やウイルス、花粉、ハウスダストなどの異物が鼻の中に侵入し、粘膜が炎症などを起こした場合、鼻腔の異変を察知し、副交感神経が粘液を大量に作る命令を出す。つまり鼻水は、異物を体外へ排出しようとして、粘液が大量に分泌されたものなのだ。松根さんは「くしゃみと同様、鼻に入った異物を排除する防衛反応の一つが、鼻水と言えます」と解説する。

 ところで鼻水は、ネバネバした粘度の高いもの、サラサラと水のようなものなど、見た目も質も異なることがある。この違いは「鼻に入った異物の種類により、鼻水の成分が変わるため」と松根さん。例えば細菌が入った場合、細菌と闘う白血球の一種や細菌の死骸などの老廃物が含まれ、粘度が高く、時に黄色や青色の鼻水になる。一方、花粉などアレルギー原因物質に反応した鼻水は、白血球に加え血液中の水分が混じり、水ばなになるという。

 子どもはよく、鼻を垂らしたままにしたり、鼻が詰まっているため口で息をしたりする。松根さんは「鼻水をかまずにいると、鼻呼吸障害につながる恐れがあります。また口呼吸が続くと喉が乾燥し、喉を痛めることにもなります」と注意を促す。人間は本来、鼻で呼吸するのが自然だそうだ。適度に鼻をかみ、スッキリとした状態を保ちたい。

耳に逆流すると中耳炎にも

 鼻水が出て鼻がムズムズすると、つい強くかんでしまう。ティッシュを丸めて詰めたくもなる。

 「耳鼻咽喉科 日本橋大河原クリニック」(東京都)院長の大河原大次さんは、「鼻をかむ時は、両側の穴を同時にではなく、片方ずつ穴を押さえて、交互にかむことが大切」と話す。

 両側を同時に強くかむと鼻水が耳に逆流し、他の症状を発症する恐れがあるためだ。鼻水が垂れるからといって強くすすることも、逆流の原因になりうるという。

 鼻と耳は鼓膜の奥の「耳管」でつながっている。鼻水には細菌やウイルスなど異物が混じっているため、耳まで達すれば中耳炎の原因になることがある。また、強くかみすぎると、耳の中に圧力がかかり、耳が痛くなるケースもある。

 また鼻の中にティッシュを丸めて入れ、鼻水を拭き取ろうとすると、鼻の粘膜を傷つけてしまうことがある。傷ついた部分がただれて 化膿かのう すると、臭いの原因にもなる。「潔癖すぎるのも考えものです」と大河原さん。鼻のかみ方が分からない子どもには、親が手本を示して教えるといいそうだ。

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