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介護・シニア

肺炎、ワクチン接種で予防…国などが助成制度

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 寒くて乾燥する季節、高齢者が気をつけたい病気の一つが肺炎だ。重症化して死に至るケースもある。うがいや手洗い、生活習慣の見直しに加え、ワクチンの接種で予防を徹底したい。

肺炎、ワクチン接種で予防…国などが助成制度

高齢者を診察する輿石さん。肺炎球菌ワクチンの接種に迷う患者には、早めの接種を推奨している(東京都豊島区の「巣鴨こし石クリニック」で)

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 和光駅前クリニック(埼玉県和光市)に7日、肺炎を起こした80代の男性が担ぎ込まれた。前の週にひいた風邪をこじらせたという。抗菌薬(抗生物質)の点滴などで症状は治まったが、同クリニック医師の寺本 信嗣しんじ さんは「肺炎は甘く見ると危険です」と警鐘を鳴らす。

 肺炎は、空気中や人の体などに存在する細菌やウイルスが肺に入り込んで起きる。風邪やインフルエンザといった病気になることによる免疫力の低下、高齢から来る体力の低下、呼吸器や心臓などの持病があると感染しやすい。抗菌薬が効かないほど重症化すると、多臓器不全を起こして死亡することもある。

 肺炎による死亡率は、がん、心臓病に次いで第3位。死者の97%を65歳以上が占める。死に至らなくても、完治しないうちに再び肺炎にかかり、入退院を繰り返すことも多い。「元気だった高齢者が肺炎で急激に体力が低下し、要介護につながるフレイル(虚弱)状態になる場合もある」と寺本さんは指摘する。

 普段から、うがいや手洗い、マスクの着用で感染を予防することが大切だ。免疫力を高めるため、規則正しい生活や持病の治療にも努めたい。

 肺炎球菌のワクチンの予防接種も効果的だ。肺炎球菌は肺炎の発症原因の約4分の1を占め、日常でかかるもので最も多いとされる。巣鴨こし石クリニック(東京都豊島区)院長の 輿石こしいし 義彦さんは「発症を防いだり、発症した際に重症になるリスクを減らしたりすることができる。効果は5年持続します」と話す。

 国は2014年10月から、高齢者向けに肺炎球菌ワクチンの定期接種を始めた。原則として65歳の時に受けるが、定期接種開始時に66歳以上の人を対象とした経過措置として、14年度から18年度までは毎年度、「65歳、70歳、75歳……」と5歳刻みで、100歳の人まで接種できる。費用は国が2~3割程度負担し、自治体によっては独自の助成を上積みするので、無料で受けられる場合もある。

 ただ、民間製薬会社の調査では、15年度末までの対象者のうち推定接種率は約43%にとどまる。

 予防接種が広がらない理由の一つは、対象者が5歳刻みとなっている点だ。接種を思い立っても、その時点で65歳や70歳などの対象年齢でなければ、助成を受けられない。任意接種では約8000円かかるため、接種に踏み切れない人が多いとみられる。

 また、補助が受けられる定期接種の周知を徹底していない自治体があることも、接種率低迷の一因とされる。

 ただ、定期接種のタイミングを逃した人でも、自治体によっては任意接種の助成を行っているところもある。「まずは自治体に問い合わせ、自分が定期接種の対象か、任意の助成があるかを確認して」と輿石さん。対象外だったり助成がなかったりしても、「できれば70歳以上の人は、任意でも接種してほしい」と話す。

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