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茂木健一郎×石川善樹スペシャル対談

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茂木×石川スペシャル対談(3)孤独は喫煙より体に悪い

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 脳科学者・茂木健一郎さんと、予防医学研究者・石川善樹さんが9月13日、「『人生100年時代』を生き抜く脳・心・体の健康法」をテーマに、東京・大手町のよみうり大手町小ホールで対談しました。この対談は、読売新聞東京本社医療ネットワーク事務局の発足記念イベントで、ヨミドクターや読売プレミアムの会員の皆さんなど約160人が耳を傾けました。ここでは、対談イベントの詳報をお伝えしていきます。3回目は対談の中編で、「健康情報の見極め方」や「人とのつながり」について2人が議論を繰り広げます。

茂木×石川スペシャル対談(3)

【24~126MB 時間:10分34秒】

<ゲスト>

茂木 健一郎(もぎ けんいちろう)さん

茂木健一郎120

脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。1962年、東京生まれ。東大大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。クオリア(感覚の持つ質感)をキーワードに脳と心を研究。最先端の科学知識をテレビや講演活動でわかりやすく解説している。主な著書に「脳の中の人生」(中公新書ラクレ)、「脳とクオリア」(日経サイエンス社)、「脳内現象」(NHK出版)、「ひらめき脳」(新潮社)など。近著に「成功脳と失敗脳」(総合法令出版)。

石川 善樹(いしかわ よしき)さん

石川120

予防医学研究者・医学博士。(株)Campus for H共同創業者。1981年 広島県生まれ。東京大学医学部卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして研究し、常に「最新」かつ「最善」の健康情報を提供している。専門分野は行動科学、ヘルスコミュニケーション、統計解析等。近著に「疲れない脳をつくる生活習慣」(プレジデント社)。

雪かきから運動を習慣づけたフィンランド……石川さん

石川 歴史を振り返ると、国家レベルで運動するようになった例として、フィンランドがあります。少し前まで、この国の心臓病死亡率は世界最悪でした。あまりにも死亡率が高いので、「もう心臓病になった?」というのが普段のあいさつになるぐらいだったそうです。

茂木 はいはい。

石川 フィンランドは雪が多くて、冬になると人々は運動しなくなります。そのような大きな制約がある中で何をやったか? 行政が、冬場、住民の家の前の雪かきをやめたんです。「自分たちの責任で雪かきしてください」と。雪かきをしなかったために隣人が転んで怪我けがをすると、その家を訴えることができるという法律を作りました。ちゃんと掃除しておかないと訴えられてしまう。そこで、お父さんたちは雪かきをすることで運動するようになりました。
 もう1つは、クロスカントリースキーの設備をだいぶ整備しました。そうすると、人々は夏場でも、冬に向けてトレーニングするようになった。最近、ステッィク2本持って歩いている人いますよね。ノルディックウォーキングっていう。あれはフィンランド発祥です。25年ぐらいかけて、フィンランドは国民全体で運動をするようになりました。

茂木 今の話、すごく面白いなって思います。僕ね、健康習慣をつけさせるには、北風と太陽みたいのがあると思います。僕は個人的には太陽路線が好きで、脅かすよりは、「いいことがあるよ」って誘う。ノルディックスキーの成功は太陽だと思います。おそらく、運動しない理由の一つは、「どこで運動していいか分からない」ということがあると思います。女性の場合は「夜のジョギングは不安」という思いもあるでしょう。ところで、最近登場した「ポケモンGO」で皆、運動するようになりました。これは公衆衛生上、どうなのですか。

石川 あれは完全に負けました。その手があったかと思いましたね。

茂木 アメリカ人とか、やたら歩き回っていますね。

 

長続きするには仲間が重要……茂木さん

石川 習慣化の研究でよく言われるのは、「始める理由」と「続ける理由」は違うということです。始める理由は北風さん的にやらされる、危機感から始めるなどがありますが、続けるためには「楽しい」とか、別の理由がないと続かない。大体、皆さん、健康のために始めるのですが、「健康」以外の理由を見つけられないと続かないですね。例えば、ウォーキングを習慣化した人がいます。この人はメタボになって、健康のためにウォーキングを始めたのですが、歩くコースの途中にある郵便局で、子供のために小銭を貯金するという理由を見つけたのです。

茂木 仲間がいるというのも重要な要素だと思います。僕は一人で走っているのですが、2、3人でお話ししながらウォーキングしている人たちをよく見かけます。「運動仲間」がいる方が長続きするという研究はありますか?

石川 あります。一人でやるとほぼ確実に失敗します。できれば直接の友人ではなく、友人の友人ぐらいも巻き込んでやったほうがいいです。

茂木 緩い絆ですね。皆さん、ウォーキング仲間がいる方、どれくらいいらっしゃいますか?(会場から少し手が上がる)やっぱりいらっしゃいますね。いろいろ複合的な施策が必要だということですね。

 

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