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異物を喉に詰まらせたら…すぐに吐き出させる
状況に応じ 素早く対応
子どもは薬やたばこ、ボタン電池など、家庭内にある身近な物を口に入れやすい。食べ物も誤って喉に詰まらせれば、窒息など重大な事故につながることもある。万が一のときの対処法を知っておきたい。
東京都葛飾区の葛飾赤十字産院で10月27日、子どもの事故予防と手当てなどに関する講習会が開かれた。参加した会社員女性(29)は「いざというときの対処法を具体的に学びたい」と話し、講師の説明に熱心に耳を傾けていた。
東京消防庁によると、2012~14年に、異物を誤飲したり食べ物を喉に詰まらせたりして、救急搬送された5歳以下の子どもは3316人。0歳児が最多で1232人、1歳児919人、2歳児498人と続いた。のみ込んだ物としては、0歳児は菓子などの「包み・袋」「玩具」、1歳児は「食品・菓子」「たばこ」が多かった。
子どもの事故に詳しい「緑園こどもクリニック」(横浜市)院長の山中龍宏さんは「子どもは生後5~6か月くらいから、つかんだ物を何でも口に運ぶようになる」と注意を促す。3歳児が口を開けると、トイレットペーパーの芯の直径と同じくらい。芯を通る大きさの物なら、口の中に入れてしまう危険があるという。「誤飲を防ぐには、子どもの口に入りそうな物を、手の届かないところに置くことが重要」と強調する。
食べ物でも、ピーナツやアメ、プチトマト、マスカットなどは喉に詰まらせたり気管に吸い込んだりしやすい。小さく切るか、食べさせないようにする。
もしも異物をのみ込んだり喉に詰まらせたりした時は、素早い対応が必要だ。
食べ物など、喉に詰まらせた物はすぐに吐き出させる。日本赤十字社で子どもの救急対応を指導する看護師の大西浩子さんによると、1歳未満の乳児の場合なら「背部
ただしガラスの破片や画びょう、針などは、無理に吐き出させれば食道を傷つける恐れがあるので、病院へ連れて行く。また意識がない、けいれんしているなど、子どもの状態によってはすぐに救急車を呼ぶ。
一方、液体は吐き出させずに、病院に連れて行った方が良い場合がある。
例えば灯油やマニキュア液、除光液など揮発性の液体は、無理に吐き出させると気管に入り、肺炎を引き起こす危険があるという。牛乳を飲ませると、体への吸収を早めてしまう恐れがあるので避ける。
大西さんは「もしもの時、慌てずに適切に対処するには知識に加えて体験も重要」と話す。日本赤十字社は子どもの救命処置を教える一般家庭向けの講習会を、全国各地で実施している。開催予定や申し込み方法などはホームページ( http://www.jrc.or.jp/ )で確認することができる。
【誤飲で判断に迷った時の相談先】
▽ 小児救急電話相談(最寄りの相談窓口に転送され、医師や看護師が助言) 全国共通で局番なしの#8000
▽ 公益財団法人「日本中毒情報センター」(いずれも年中無休、相談料無料)
・ 大阪中毒110番(24時間対応) 072・727・2499
・ つくば中毒110番(午前9時~午後9時) 029・852・9999
(いずれも日本赤十字社の資料より)
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