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ひとり親家庭への支援は?

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国が技能訓練や扶養手当

ひとり親家庭への支援は?

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ひとり親家庭への

支援は?

 両親が離婚をしたり、片方の親が病気で亡くなったりして、家族が母子または父子のみになる場合があるよね。こうしたひとり親の家庭は、2012年に91万2000世帯あり、1994年(56万7000世帯)の1・6倍に増えている。

 約9割が母子家庭で、こうした家庭の多くは支援が必要なんだ。なぜかというと、経済的に困窮しがちだからだよ。母子家庭の年間総収入は平均291万円。18歳以下の子供がいる世帯全体の平均(658万円)の半分にも満たない。

 母子家庭の母親は、小さい子供がいて長時間働けなかったり、結婚を機に退職したりして、比較的賃金が高い正社員の人が少なく、約6割がパートなど非正規の仕事に就いているんだ。収入が少ないと、衣食住はもちろん、教育費も減るし、子供の貧困問題にもつながりやすい。

 そこで、国は昨年末、仕事や住まい、子供の教育など、ひとり親家庭の暮らしを総合的に支援する政策を強化した。これまでも国は親が安定した仕事に就き、経済的に自立するための支援を行ってきているよ。

 たとえば、就職に有利な資格の取得や、パソコンなどの技能訓練を受ける場合に、生活費や受講費の補助が受け取れる。また、母親向けの職業安定所「マザーズハローワーク」を全国21か所に設けて、ひとり親家庭専門の相談員を配置し、働ける時間帯や場所に制約が多いシングルマザーに対応した、きめ細かな相談も行っている。

 低所得の家庭には、所得や子供の人数に応じた「児童扶養手当」の支給や、学費や転居、就職準備などの費用の貸付制度もある。親の都合がつかない時に低料金でホームヘルパーを頼め、家事の手伝いや子供の世話をする日常生活のサポートもある。ただ、こうした事業の実施は自治体によってまちまちだ。

 母親または父親一人で子育てと仕事を両立させるのはとても大変だ。支援策の充実ばかりでなく、子供がいても働きやすい職場づくりや保育所の整備など、社会全体でいろいろな手助けが必要だよね。(小沼聖実)

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 「猫ピッチャー」の作者、そにしけんじさんの話「社会保障は難しいイメージもありますが、実は身近で大切な問題。若い人も含めて、自分たちの生活を考えるきっかけにしてほしいです」

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