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からだコラム

[短命県から学ぶ健康]中年層の死亡率に大差

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 「長野県と青森県の寿命の2・6歳(年)の差なんて大した差じゃない」「2・6歳長生きしても若い人に迷惑をかけるだけ」「80歳と82・6歳の人を見てどちらが年上か、ちゃんと当てられますか?」。よく言われます。へこまされます。

 2010年の青森、長野両県の平均寿命の差は、男性で3・6歳(長野80・9歳、青森77・3歳)、女性で1・9歳(長野87・2歳、青森85・3歳)でした。男女平均で2・6歳です。

 しかし、冒頭の感想は間違いです。こうした感想は、あくまで「一人の人の寿命」に関してのものです。頭に「平均」がついた「平均寿命」になると全く違った意味になります。

 長野、青森両県の男性の年代別死亡率(全死因)をみます。すべての年代で青森の死亡率が長野を上回っています。つまり、両県の平均寿命の差は、人生の最後だけの差ではなく、赤ちゃんや小さな子供から高齢者まで差があり、特に中年層(40~60歳代)で死亡率に大きな差(1・6倍)があるのです。

 平均寿命というたった一つの数字だけを見ると大きな誤解を生んでしまいます。

 青森の平均寿命対策の要の一つは、40~60歳代の死亡を減らす対策、つまり「早死にを減らす」対策でもあります。ここを正しく理解しないと「短命をなんとかしよう」というモチベーションにつながりません。

 例えば、青森県民が長野県民と同じような死亡率であると仮定します。そうすると、現実の青森県の1年間の死亡者数が2800人減少します。なんと、青森県の年間全死亡者数1万7000人の約15%です。大きな数字です。

 このように、両県の平均寿命の差2・6歳の意味を正しく知ることこそが短命対策の第一歩となるのです。

 (中路重之・弘前大学教授)

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