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私のマラソン道

コラム

ライバル会社とランニングの輪

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大阪本社写真部 上田尚紀カメラマン

ダブついた体に活を入れる

企業対抗駅伝でタスキをつないでゴール

後輩から誘われて初参加した企業対抗駅伝(2015年)

 2015年4月。「ライバルA社と駅伝で勝負するんですが、走らないですか?」と写真部の後輩から誘われた。
 高校の部活で野球をやって以来、真剣に運動らしいことはやっていない。スポーツの思い出といえば灼熱しゃくねつの太陽のもと、カラカラに乾いたグラウンドでのダッシュ、ベースランニングなどつらいことばかりだ。その思い出が頭をよぎり、体が長年拒否し続けてきた。なぜか、今回はやってみたいという気持ちになった。日頃の暴飲暴食でダブついた体に活を入れ、はやりのスポーツジムのCMのような、目に見えるダイエット効果を求めていたのだろう。

ランニングアプリで励まし合う

 「このアプリに登録してください」と後輩がスマホのランニングアプリを勧めてくる。「友達登録」すれば、何キロ走ったか互いに距離を確認できる。「努力見せんのいややし……」と断ったが、なかば強制的に押し通され、使ってみたらなかなかの優れもの。メンバーの順位も表示され、「○○さんの距離まであと何キロ。追い越そう」と競争心をあおってくる。走り終わった後には、「お疲れさまでした。明日も頑張りましょう」と音声で励まされる。

  今では「写真部マラソン同好会」の7人全員が登録し、仲間同士で刺激しあっている。仕事前もついついオーバーペースになり、会社まで15キロ走ったあとに仕事をしたこともあるが、相当疲れて、反省することも多い。

 

1か月後の本番、結果は「そこそこ」

 さあ、1か月の調整期間を終え、200チーム以上が出場する企業対抗駅伝(2015年5月)の日がやってきた。大阪写真部は私を除いて、1キロを3分台で走る人やフルマラソン経験者、元陸上部員など中堅・若手の精鋭ぞろい。1人の走行距離は5キロで5人でタスキをつなぐ。

 ライバルA社も取材現場でよく顔をあわせる人たちで、写真部デスク、中堅部員の混成チームだ。私は読売チームの第3走者を担当。1走がA社に勝る俊足でタスキをつないだが、2走がブレーキ。私が受け取った時にはライバル社と1キロ以上の差がつけられてしまった。

 息があがり、脚力は高校現役時代のようにはいかないが、長女が小学校の授業の駆けっこ大会で一生懸命走っていた姿を思い浮かべ、1人2人と抜いていった。

 何とかA社をとらえることができた。タスキを継いだ4走、5走もA社には抜かれずに順位を維持。結果は出場約250チーム中、126位と、そこそこの成績を残せた。

リレーマラソン in 淀川河川公園で、約250チーム中17位の好タイムでゴールする「よみうりパチカメーズ」のメンバー(10月2日)

リレーマラソン in 淀川河川公園で、約250チーム中17位の好タイムでゴールする「よみうりパチカメーズ」のメンバー(10月2日)

 その後も他社とのランニングの輪は広がり、翌年5月にはM社も同大会に参加し、今年10月にはフルマラソンの距離をチームでタスキをつなぐリレーにも出場した。

 レースの後は、銭湯で汗を流し、ビールで乾杯。焼き肉を食べに行くことが定番となった。みんなで仕事を離れ、盛り上がっている。

 小学生の子どもが2人いるので家の用事も多いが、家族の理解を得て仕事と家事の合間を見つけ、毎日5~10キロ走るようにしている。帰宅後に時間が取れないときは「通勤ラン」。早めに家を出て会社より遠くの駅で下車し、会社まで走ることもある。特に食事制限はせず、川内優輝選手のように好きなだけ食べて、カロリーオーバーな分は多めに走るようにしている。

 

駅伝の次はマラソンで自己新狙う

大阪ハーフマラソンでゴール後、疲れた表情の筆者(1月、大阪市東住吉区のヤンマースタジアム長居で)

大阪ハーフマラソンでゴール後、疲れた表情の筆者(1月、大阪市東住吉区のヤンマースタジアム長居で)

 走ることを続けていると気持ちも前向きになれ、友人の輪も広がる。また、次の目標への挑戦意欲がわいてくる。

 昨年は最初の駅伝を終え、目標を大阪のマラソンの聖地、長居陸上競技場をゴールとする大阪ハーフマラソンに定め、エントリーした。途中すれ違う公道では、オリンピック代表権を巡って大阪国際女子マラソンの走者がレースを繰り広げている。士気高まる大会ではあるが、制限時間が2時間少しという類を見ない短さで、かなりハイレベルな大会である。約1時間45分でフィニッシュしたがペースを上げてのゴールは相当疲れた。

 昨シーズン最後、どうしてもフルマラソンに挑戦したいとの思いから、淀川の河川敷を走る「淀川 寛平マラソン」に挑戦した。記録はぎりぎりサブ4の3時間58分。走りはじめてから1年で達成でき、とりあえず自己満足。

 今年もマラソンシーズンがやってきた。11月に神戸マラソン、12月には奈良マラソン、翌年3月には自己記録更新を狙って篠山ABCマラソンに出場する。ちょっと張り切りすぎかもしれない。

上田尚紀150

上田 尚紀(うえだ・なおき)
【略歴】1992年入社。大阪本社写真部。入社3年目に体験した阪神淡路大震災(95年)を始め、和歌山毒入りカレー事件(98年)、広島女児殺害事件(2005年)などを取材、東日本大震災(11年)の際は大阪から現場へ向かった。海外ではアメリカNY同時多発テロ(01年)、アテネ五輪(04年)などを現地で取材。デスク歴約4年。マラソン歴1年半。モットーは「健康であることに感謝し走り続ける」。

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 マラソンやランニングが、ライフスタイルとして定着しつつあります。週末、各地の大会に出かける人も多い中、あなたのオフィスの隣の人がランナーかも? 読売新聞社内のマラソンランナーが、国内外の大会に参加した体験記、トレーニング法、仕事との両立など、マラソンへの思いを語ります。

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