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性とパートナーシップ

yomiDr.記事アーカイブ

夫との修復を図りながら迷いが生まれている女性(4)肉体的欲求なのか、精神的欲求なのか

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 夫と修復できたのもつかの間、また以前のようなギスギスした関係に戻っていました。そんな時、女性は以前から知っていたこの「性とパートナーシップ」の以下のコラムを読んでいました。

  結婚、恋愛、セックスの相手を分ける女性(上)(中)(下)

 

yomidr_partner_300_20161101 「正直、羨ましいと思ったのです。私もその頃、使い分けたいと思い始めていましたから。夫との関係や自分の気持ちを穏やかにするには、もうこの方法しかないかなと思い始めていたのです。学生時代、友人から『一人にすべてを求めるなんて、そもそも間違っている。用途別に使い分けないと』と言われたことを思い出しました。『ひどいなあ』と思いながらも、どこかで『なるほどな』とも思っていたので、よく覚えていたのです」

 結婚相手にこそ、すべてを求めてはいけないのかもしれない――。10年近く一人の人と一緒にいて、そう感じ始めた頃、女性はこの連載を読んで納得できたような気がしていました。

 「昔の友人から、『相手に多くを求めすぎだよ』と注意されていました。夫に期待しすぎているから落胆も大きい。じゃあ、夫に求めないようにしようと思って、素直にそうできるかというとそうもいかない。熱量が多すぎるというか、どこかに向ける先がないと不完全燃焼してしまう感じでした。これまでは仕事や育児、友人とのおしゃべりなどでなんとか解消していましたが、『何か足りない』と感じるきっかけは、セックスレスの問題でした」

 そんなことを考えていた今年の夏、以前勤めていた会社の同期の男性から、「会社を辞めた」と連絡があり、久しぶりに会うことになりました。彼とは独身時代に一度、体の関係もありました。

 女性が夫との関係について悩みを打ち明けると、彼も妻とうまくいっていないことを語り始めました。

 「自分はセックスしたかったのに、妻は子どもの母親になってしまって、全くさせてくれない。パパと呼ばれて、自分の男としての居場所はなくなっていた」

 彼は、外に恋人を作ることで、その不満を解消させていました。女性は「私も同じ不満はあるのだけれど、もう一回夫と恋愛しようと頑張っているの。でもうまくいかなくて」と語ると、彼は「頑張ってみろよ」と応援してくれました。笑ったら心が少し軽くなり、そのまま帰宅しました。

 1か月後、男友達の彼からまたメールがあり、「お互い、近況報告をする定例会を開かないか」と誘われました。夫との関係が 膠着(こうちゃく) 状態にあった女性は、思いあまってこう返信しました。「私は今、こんな欲求不満の精神状態だから、危険だよ」。しばらくして、また2人で会うと、色っぽい危険なムードが漂いました。

 「昔抱き合ったことあるよね」と女性が口にすると、「俺は一緒に仕事をしていた時に、何度もモーションをかけたことがあるよ。もう一度お前を抱きたいと思っていた」と彼は返してきました。

 欲望を (あら) わにされて、女性は興奮を感じながらも、その日、彼が婚外恋愛をしている恋人と旅行した直後だと聞いていたことを思い出し、冷静に「セックスはしない。面倒なことになる」と考えていました。それでも店を出て、その彼に自分からキスをしました。結婚して10年近く、一度も浮気をしたことがないのに、どうしてもしたいという気持ちを抑えられませんでした。

 しかし、それ以上進むことはなく、「俺たちまた抱き合えるよな」という彼の言葉に、「70歳くらいになったら、いいかもね」と言って別れました。

 「なんとなく、いますぐホテルへ直行という気にはなれませんでした。このまま『あわよくば抱き合えるかも』という微妙な期待感、距離感をお互いに持ちつつ、ちょっとしたスキンシップを楽しみながら、包み隠さずなんでも相談もできる異性の友人という状態がいいな、と直感的に思ったのです」

 その1か月後、夫や子どもと一緒に出かけた知り合いのパーティーでのことです。夫は子供たちを連れて先に帰ると言い、「(遅くまで)いていいよ」と言ってくれました。仲のいい友達と深夜まで語り合っていくうちに、いつの間にか、それぞれの家庭の性生活の不満に話題が広がっていきました。

 女性は軽いノリで「私もずっとセックスレスだよ」と打ち明けると、その場にいた初対面の男性が、「俺なら何回でもしてあげるよ」と軽く返してきました。お酒に酔っていた女性も、「本当に? 期待しちゃいますよ」と答え、笑いに包まれました。その場での冗談だと思っていました。

 ところが、翌日、気がつくとフェイスブックの友達申請が来て、やり取りが始まりました。彼は2回結婚歴があるデザイナー。知り合いによると、「彼は女遊びがすごくて危険だよ」という評判でした。

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性とパートナーシップ201505_120px

岩永直子(いわなが・なおこ)

1973年、山口県生まれ。1998年読売新聞入社。社会部、医療部を経て、2015年5月からヨミドクター担当(医療部兼務)。同年6月から2017年3月まで編集長。

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25件 のコメント

何だかなぁ

冷めた30代

自分がずっと主人公でいたいだけな人に思えてしまった。人間ある程度年がいったら、愛されたいとか、もらう方ばかり要求するのではなく与える方にシフトし...

自分がずっと主人公でいたいだけな人に思えてしまった。人間ある程度年がいったら、愛されたいとか、もらう方ばかり要求するのではなく与える方にシフトしませんか??
私はもう子供も二人いるし、もともと淡白なのでもはや旦那とどうなりたいとか愛されたいとかは皆無です。ただ子供はかわいいし、母性から彼らに愛情を注いでいますが、母親を慕ってくれる子供からの愛情があるから気持ち的にそこで満たされてます。今は男女の関係なんかに一切興味はなく、旦那すら図体のデカイ子供とカウントしてるので、気持ちが楽です。。この女性は私とは全く違うタイプなので理解しあえないと思いますが、悶々としてる時間がもったいないです。世の中もっと楽しい事いっぱいあるし、男女の恋仲以外に心身ともに満たされることいっぱいありますよ!

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応援しています

アラフォー既婚女性

回転寿司で荷物置き場を占領したあげく、自分の話ばかりする男とのデートからの、片付いていないキッチンに発狂する流れには、思わず笑ってしまいました。...

回転寿司で荷物置き場を占領したあげく、自分の話ばかりする男とのデートからの、片付いていないキッチンに発狂する流れには、思わず笑ってしまいました。
五十歳の女性が、愛されている実感を得るために、ときに空回りしながらも体当たりでチャレンジしていく。可愛いと思います。
私もこの方のように、夫に憎しみと満たされないいろんな欲(笑)をぶつけながら支離滅裂でしたが、結局、他の人と恋愛したりセックスする中で整理がついてきました。
でもそれで正解だったかどうかなんてわかりません。今のところは、自分なりにジタバタしたのは、何もしないで悶々とするよりは良かったかな・・・くらいです。

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よく書けましたね

当事者の家族

>こうやって既婚者の方が中絶する。若い未婚女性より、既婚者が『もう産めない』と中絶する。 『もう産めない』くらいの理由で中絶はできないはずです。...

>こうやって既婚者の方が中絶する。若い未婚女性より、既婚者が『もう産めない』と中絶する。

『もう産めない』くらいの理由で中絶はできないはずです。妊娠を続行するのに相当の理由があるのでその手段を使っています。術を行う医師が刑罰をうける誤解をされるようなことを書かないでください。うちの母も弟の配偶者も産めない理由はそのままだと死がまっていたから医師の許可で術をうけています。コメントを書くなら真剣に書いてください。読んでいてものすごく不快です。

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