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あなたの健康百科 by メディカルトリビューン

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自宅で測る血圧は重要―脳卒中などを予測

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家庭血圧の世界基準を生んだ「大迫研究」30年記念講演会開催

自宅で測る血圧は重要―脳卒中などを予測

 「病院で測ると、家で測るより高く出る」「いつもは、こんなに高くないんだけど」―血圧が高めなことを気にしている人なら、そんなことを感じた経験があるのではないだろうか。心血管病の予防のため啓発活動を行う日本心臓財団(東京都新宿区)は先ごろ、自宅で測る「家庭血圧」の意義を検討した調査「大迫(おおはさま)研究」の開始30周年を記念して、大迫研究の歩みと家庭血圧の普及に関する講演会を開催。研究に携わった帝京大学医学部の大久保孝義主任教授(衛生学公衆衛生学)と東北大学大学院薬学研究科の今井潤教授が、脳卒中を予測できるなど家庭血圧の重要性などについて語った。

脳卒中や心臓病などを予測できる

 大迫研究は、岩手県大迫町(現・花巻市)の一般住民を対象に1986年に開始された、家庭血圧の測定を中心とした大規模な住民研究だ。大久保孝義主任教授は、地域住民に家庭血圧を測定してもらい、その後の脳卒中や心臓病、死亡などについて追跡調査を実施。その結果から、家庭血圧を測っていると、それらの病気がある程度予測できることが分かったという。

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 研究から分かったのは、「最高血圧135mmHg/最低血圧85mmHg」以上だと脳卒中や心臓病、死亡のリスクが高まること。また、日によって家庭血圧の変動幅が大きいと、これらの病気になりやすいことも明らかになった。さらに、最高血圧の変動幅が9.59mmHg以上と大きい場合、7.3mmHg未満の人に比べて、認知機能が下がるリスクが2.84倍になったという。こうした研究結果を踏まえ、大久保主任教授は「家庭血圧は、脳心血管病や認知機能の指標になり得る」とコメントしている。

 この調査結果から家庭で測る血圧の重要性が示され、医師が診療で参考にする『高血圧治療ガイドライン』にも、「診察室血圧と家庭血圧の診断が異なる場合は家庭血圧の診断を優先する」と明記されたほど。さらに大迫研究の結果は、欧州やアジアなど世界各国のガイドライン(指針)にも引用されているそうだ。

60歳以上の7割が血圧計を保有

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 2010年の国民健康・栄養調査から、60歳以上の約7割が家庭血圧計を保有していることが分かっている。今井教授らは「日本は家庭血圧の先進国と言える」とした上で、「さらなる普及に力を入れていくべき。それと同時に、家庭に眠っている測定器の利用率を上げる工夫も重要」と述べた。

 「朝と晩の測定値で、脳心血管病を予測する能力に差があるか」という会場からの質問に対して今井教授らは、大迫研究で得られた結果から、「1日1回の測定であれば、朝が勧められる」と回答。「ただし、朝にも晩にも測定の意味はある。家庭血圧で何より大切なのは、長期にわたって測定を継続すること」と強調した。

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