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短命県から学ぶ健康

からだコラム

[短命県から学ぶ健康]青森だけの問題じゃない

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 先日、青森市でタクシーに乗ったら運転手さんが怒っていました。「朝から晩まで『短命県返上』。聞き飽きた。オレは短命県という言葉が嫌いだ。最近は弘前大学の先生までテレビで短命県返上。いったいどうなってるんだ!」と。

[短命県から学ぶ健康]青森だけの問題じゃない

 その青森県の「弘前大学の先生」で、短命県返上を大声で唱えているのが誰あろうこの私です。

 思わず下を向きながら「そうだね」と小さくつぶやいていました。

 私は長崎県の諫早市で生まれましたが、昭和48年に弘前大学入学以来、約44年間青森県民です。四季折々に輝きを放つ青森県の風土と人間味あふれる県民は私の誇りです。

 日本一の短命県である青森県は、いま短命県返上で大いに盛り上がっています。しかし、県民すべてに歓迎されているわけではないようです。「平均寿命の順位を分析して何になるの?」「日本最短でも世界的にみれば長寿でしょう?」などの質問をよく投げかけられます。

 平均寿命は、保健・医療に加え文化、気候、教育、経済など社会の総合力を反映する指標です。

 例えば、最短命県青森と最長寿県長野の間には男女合計で2・6歳平均寿命の差があります。「たった2歳半か」と言ってしまえばそれで終わりです。しかし、その2歳半を細かく分析していくと目からドスーンとウロコが落ちます。健康づくりはもちろん町づくりにまでつながっていきます。

 「短命県返上って、それ青森の問題でしょう」ともよく言われます。しかし、実はそうではありません。青森県が短命県を脱出できたら、それは日本人、いや世界の人の健康、町づくりに当てはめることができ、貢献できるのです。

 (中路重之・弘前大学教授)

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