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俳優 塩見三省さん

一病息災

[俳優 塩見三省さん]脳出血(4)厳しい現実、新たな出発

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 脳出血で倒れてから、一番つらかったのは、病気前後の落差を思い返す時だ。無意識で普通の生活ができた昔に比べ、今は「生活することが戦い」と言う。

[俳優 塩見三省さん]脳出血(4)厳しい現実、新たな出発

 そんな毎日で心の支えは、俳優への復帰という目標だった。友人たちの励ましで気持ちをつないだ。「『可能性』について話すことが、自分を再生させる力になった」。発声は障害がなかったが、考えれば考えるほど、動かない体がいとおしく思えた。「傷ついた姿を見て、かわいそうと思う人がいるかもしれない。でも、傷ついたことは恥ずかしいことじゃない」

 そんな中、NHKの震災5年のドラマで、病に倒れ、リハビリに励む元漁師という役を演じることになった。久しぶりの現場に興奮した。「ここまで戻れたのは奇跡」と感じ、支えてくれた人々に感謝した。

 パラリンピックを見て思う。「障害を乗り越え、その上、何かになろうとする姿は美しくすてきだ。僕も演技で、同じ境遇にある人たちを力づけたい」

 厳しい現実に向き合うことで、新たなスタートラインに立てた。この夏は新作映画を撮り終えた。「この2年が僕の人生には必要だったと、思うことができる人生にしたい。もう一度ひたむきに生きていく」。静かに心に誓っている。

 (文・山田聡、写真・杉本昌大)

  俳優  塩見(しおみ)   三省(さんせい) さん(68)

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