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いきいき快適生活

介護・シニア

読売新聞社賞 西川知恵子さん 85歳(東京都昭島市)…第16回ニューエルダーシチズン大賞(3)

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車椅子生活50年、挑戦続く

読売新聞社賞 西川知恵子さん 85歳(東京都昭島市)…第16回ニューエルダーシチズン大賞(3)

「私の足でございますの」と車椅子から愛車に乗り移る西川さん

 ドアを開け、運転席に体を滑らせる。乗っていた車椅子を片手で持ち上げて助手席の後ろに置く。右手でハンドルを握り、左手でレバーを前後に動かしながら愛車を駆る。「これがあればどこへだって行けますのよ」と話す。

 3人目の子どもを出産した35歳の時、脊髄腫瘍に侵され、下半身が動かなくなった。以来、車椅子生活を続ける。上半身の筋肉運動を日々欠かさず、車椅子から運転席、ベッド、トイレ、風呂場への移動を一人でこなす。

 生活の自立を目指し、さまざまなスポーツに挑戦。日本身体障害者水泳選手権の25メートル背泳ぎで優勝し、2001年に「車いすダンス昭島」を結成した。小中高校や老人ホーム、地域の行事でダンスを披露している。

 西川さんの踊りに魅せられ、車椅子ダンスの世界に入った人もいる。特別支援学校に通う女の子は踊りで自信をつけ、一人でバスに乗れるようになった。脳出血で右半身まひと言語障害が残った男性は明るさを取り戻した。

 国内屈指の製糸会社を営む家に生まれた。従業員を大切にする会社で、「世のため、人のために役立つ人間たれ」と教育された。車椅子生活に加え、夫の事業の失敗と離婚という辛酸をなめながらも、家訓を胸に再起。60歳の時、結婚のため中退した大学に入り直し、自らハンドルを握る車で、往復4時間かけて休まず通学。大学院へ進み、シェークスピア研究に力を入れた。

 英語を滑らかに話し、地域活動にも積極的に参加する。推薦者の岩崎久美子さん(75)は「ドレスや装飾品は手作りでいつも美しい装い。憧れの存在」と話す。(山口正雄)

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