いきいき快適生活
介護・シニア
得意分野に使命感持つ…第16回ニューエルダーシチズン大賞(1)
地域に貢献する活動や、趣味などの分野で意欲的に挑戦する70歳以上の高齢者をたたえる「第16回ニューエルダーシチズン大賞」の表彰式が14日、読売新聞東京本社で開かれた。大賞に輝いた片桐重男さん(91)(東京都国分寺市)と、読売新聞社賞を受賞した西川知恵子さん(85)(同昭島市)が出席し、喜びを語った。
今年のニューエルダーシチズン大賞には521件の応募があった。昨年より99件多く、約7割が男性、約3割が女性だった。年齢別では、70歳代が半数を占め、80歳代が約4割、90歳代が約1割。100歳代も2人おり、最高齢は102歳だった。
元大学教授の片桐さんは70歳の時、東京都国分寺市内で算数教室を開いた。今も教材に工夫を凝らし、算数の楽しさを子どもたちに伝えている点などが称賛された。西川さんは車椅子生活を50年間続けながら、水泳や車椅子ダンス、シェークスピア研究に取り組む姿が評価された。
表彰式で、審査員長の日野原重明・聖路加国際病院名誉院長(105)は、片桐さんに対し「教育という畑で長年、(日本の)未来を作る力を育てている」とし、西川さんについては「向学心と大きな努力で自立し、周囲に感動を与えている」と表彰。審査員でタレントの毒蝮三太夫さん(80)は「2人とも得意分野に使命感を持って取り組み、まいた種が広がって大きな花を咲かせている」とたたえた。
これに対し、片桐さんは「回を重ねるごとに手応えを感じる一方、最近は物忘れも出て来て、子どもたちを満足させられただろうかという思いが大きくなっていました。それだけに、受賞で自信がつきました」と語った。西川さんは「障害をハンデだと思ったことは一度もありません。苦難は神様からのお恵みです。これからも、世のため人のために積極的に活動してまいります」と謝辞を述べた。
式の後の懇談で、片桐さんが「算数や数学の授業をより良くしようという思いで始め、共感の輪は韓国に広がっている。先生方の熱心さに支えられている」と話すと、毒蝮さんは「その輪が広がれば、世界平和につながるはず」と激励。日野原さんが「教育の本旨と言え、継続は力」と応じた。
また、西川さんが「今は私の人生の中で最も充実した時期。楽しませていただいている」と話すと、毒蝮さんが「シェークスピアに親しみ、文字通り、あなたは人生の華やかな舞台におられる」と返した。日野原さんも「あなたの輝きは、努力の結晶。その挑戦力は立派です」と称賛した。
審査員(敬称略)
▽審査員長=日野原重明(聖路加国際病院名誉院長)▽審査員=落合恵子(作家)、毒蝮三太夫(タレント)、長尾立子(全国老人クラブ連合会顧問)、若林之矩(前・明治学院理事長)、猪熊律子(読売新聞東京本社社会保障部長)
主催=読売新聞社 後援=厚生労働省 協力=高齢社会NGO連携協議会、全国老人クラブ連合会
【関連記事】
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
※個人情報は書き込まないでください。