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長男治療の恩返し…京大iPS研のパパ、支援訴え大阪マラソン出場

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長男治療の恩返し…京大iPS研のパパ、支援訴え大阪マラソン出場

大会本番に向け、鴨川沿いで練習に励む京都大iPS細胞研究所の渡辺文隆さん(京都市左京区で)=守屋由子撮影

 30日開催の第6回大阪マラソン(読売新聞社共催)に、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究を進める京都大iPS細胞研究所から、寄付募集を担当する専門職員の渡辺文隆さん(35)が出場する。

 長男(5)の重い先天性の病気をきっかけに、民間企業から同研究所に転職した経歴を持ち、「大会を通して、難病治療や再生医療の研究への支援が広がれば」と練習に励んでいる。

 渡辺さんは大学卒業後、環境ビジネスに関わる会社で勤務。2010年12月に長男が生まれたが、生まれつき食道が閉じている病気「先天性食道閉鎖症」と診断された。栄養をとれないため治療に猶予がなく、長男は翌日、6時間に及ぶ手術を受け、一命をとりとめた。それ以降、「子どもを救ってくれた日本の医療に恩返ししたい」との思いを抱くようになった。

 12年、同研究所の山中伸弥所長(54)がノーベル生理学・医学賞を受賞。何げなく目にしたツイッターで、寄付担当職員を募集していることを知った。元気になった長男の存在も手伝って、「医療の発展に貢献できる二度とない機会」と転職を決意。熱意が伝わり、翌年6月、同研究所に採用された。

 「iPS細胞は希望の光」。闘病しながら寄付を続ける難病患者らの声に、研究への期待の大きさを実感した。「財産をiPS細胞の寄付に」という遺言書を残す人もおり、「寄付者の思いに背かないようにする重い責任がある」と強調する。今年4月からは、同研究所のiPS細胞研究基金を担当する基金グループ長となった。「世界最先端の研究を続けるには寄付が絶対に必要」と訴える。

 同研究所からは、研究の支援を呼びかけるため、研究者らが毎回出場しており、今大会には山中所長や渡辺さんら9人が出場する。前回は約1600万円の寄付が集まったといい、渡辺さんは「研究を寄付で支える文化を広げたい」と、研究所近くの鴨川沿いなどで走り込みを続けている。

          ◇

【iPS細胞研究基金】 2009年度に寄付を積み立てる目的で創設。初年度の寄付は約3200万円だったが、徐々に増加し、15年度は約24億円となり、残高は50億円を超えた。研究者の人件費や研究費、特許の管理費などに充てられている。

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