傷の治し方
元気なう
[傷の治し方](3)やけどはすぐ15分冷やす
熱湯をこぼすなど、家庭でやけどをすることは珍しくない。目立たない傷痕にするため、適切な応急処置を心がけたい。
日本医科大学武蔵小杉病院形成外科講師の土佐眞美子さんは「水ぶくれができたら、焦らずに患部を保冷剤などで冷やしながら病院に来てほしい」と話す。
やけどの重症度は、深さに応じて1~3度に分けられる。1度は日焼けと同じく皮膚の表面(表皮)が赤くなる程度で、1週間ぐらいで自然に良くなる。最も重い3度は皮膚が全て損傷した状態で、多くの場合、手術が必要となる。
中間の2度は表皮の下の真皮まで達し、水ぶくれができるのが特徴だ。2度は浅いものと深いものがあり、浅い方は治るのに2週間程度、深い方は3週間以上かかり、傷痕が残る可能性が高い。
やけどをしたら「とにかくすぐ冷やす」のが基本だ。痛みを和らげ、炎症の広がりを抑える効果がある。冷やす時間は、体の部位や年齢などにもよるが、水道水などの流水でおおむね15~20分間。衣服の下にある場合は無理に脱がず、服の上からかける。
水ぶくれは破らないこと。細菌に感染する恐れがあるからだ。布で覆い、冷やしながら病院へ向かう。ただし、乳幼児の広いやけどでは、冷やすと低体温症などになる恐れがあり、すぐに救急車を呼んだ方がいい。
治療には患部に食品用ラップを巻く方法もあるが、東京医科大学形成外科教授の松村一さんは「化膿するなど症状が悪化するトラブルも起きており、勧められない」と注意を呼びかけている。
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