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栄養で治す

からだコラム

[栄養で治す]予防する時代、治療の基盤

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 医療機関には多くの専門職種が勤務していますが、栄養に関わる専門職種は管理栄養士のみです。

 管理栄養士は、「栄養士法」の第1条で「都道府県知事の免許を受けて、栄養士の名称を用いて栄養の指導に従事することを業とする者をいう」と定められています。その業務は「傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導、個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導……」などと書かれています。

 高い専門性がうたわれていますが、問題として指摘されているのは、資格がない者は名乗れない「名称独占」ではあるものの、医師のように資格がないと業務ができない「業務独占」ではないということです。

 管理栄養士は、診療報酬単価が他職種に比べると低いため、圧倒的に人数が少なく、業務量も多いため、なかなか個々の患者のケアが困難な状況にあります。

 業務独占がないため、他職種が栄養の領域に入って来ており、喜ばしいことではある反面、資格の存続すら危ぶまれています。

 こうした状況を打破しようと2014年5月、一般社団法人「日本栄養経営実践協会」を設立し、代表理事に就任しました。効果的な栄養管理の実践だけでなく、抗菌薬や輸液の節減を通じて経営上の利益にもつなげ、管理栄養士の地位向上も目指しています。

 医療費が40兆円を超え、今後、納税世代が減少する日本では、治療や薬に過度に依存する体質を脱し、予防に大きく かじ を切ることが迫られています。

 「栄養は治療の基盤。全ての疾患に共通に必要なもの」という考え方が、多くの国民や医療従事者に浸透することを念じてやみません。

 (宮沢靖・近森病院臨床栄養部長、管理栄養士)

 (おわり)

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