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がん患者・家族に希望を…「マギーズ東京」豊洲にオープン

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英国発祥、無料で利用や相談

 がん患者や家族らが気軽に集まり、専門家のアドバイスも受けられる英国発祥のマギーズセンターが10日、東京・豊洲にオープンした。看護師や臨床心理士が常駐し、予約なしで無料で利用できる。患者の希望の場になればとの願いが込められている。

がん患者・家族に希望を…「マギーズ東京」豊洲にオープン

マギーズ東京で患者らと話をする、秋山さん(手前右から2人目)と鈴木さん(左から2人目)=栗原怜里撮影

 豊洲運河を望む一角に「マギーズ東京」はある。木造平屋建て。木の香りが心を落ち着かせる。床から天井まで大きくとった窓から光が差し込み、庭の緑を楽しめる。キッチンやダイニング、リビング、テラスを備えた母屋(120平方メートル)と多目的室として利用できる別棟(80平方メートル)がある。

 マギーズセンターは、英国の造園家で乳がんを患ったマギー・K・ジェンクスさんが「がん患者が悲しみや恐怖で過ごすのではなく、生きる希望や喜びを感じられる施設を」と、夫とエディンバラで建設に着手。1996年に完成したが、マギーさんが見届けることはかなわなかった。

 現在、英国に18か所、香港に1か所。東京は、英国外としては2番目で、金沢、京都、広島でも計画中だ。

 東京での開設の中心になったのは、20年以上訪問看護に携わってきた秋山正子さん(66)と8年前に乳がんの手術を受けた日本テレビ記者の鈴木美穂さん(32)。

 秋山さんは27年前、肝臓がんの姉を在宅で看護した。在宅医療は一般的ではなかった。手探りながらも、家族と過ごす時間がとれ、入院とは違う闘病生活が送れたと感じた。その後、体力があるうちに進行がんを告げられ、治療法がないまま途方に暮れる患者に多く出会った。患者の不安を和らげようと模索しながら出会ったのが、マギーズだった。「病院と自宅の中間にあり、支えとなる人たちがいる第二の我が家」。探していたものと合致した。

 東京・新宿でマギーズの理念を採り入れた訪問看護ステーションを2011年に開設。医療や介護などの相談を気軽に受けられるようにした。

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 14年、同じ思いを抱き、秋山さんを訪ねたのが鈴木さんだった。治療中、「がんにむしばまれてしまう」と絶望し、自殺を図った。家族や友人の支えもあって乗り越え、若い患者を支援する活動を始めた。ウィーンでの患者の国際会議でマギーズを知り、「闘病中から、あったらいいなと思っていた」と、日本で導入を考えている人を探すうち、秋山さんに行き着いた。

 土地は20年まで無償で貸与を受け、総事業費の7000万円のほとんどを寄付で賄った。「こんな施設を待っていた」「がんで亡くなった友人の思いを込めました」といったメッセージも寄せられた。

 ボランティアで設立に関わってきた小川貴代美さん(53)は3年前に大腸がんを治療した。「うつになるぐらい落ち込んだが、マギーズを知って道が開けた。ほかの患者も希望を持って人生を進められるようになってほしい」と話す。

 開館時間は月~金曜日の午前10時~午後4時。問い合わせはマギーズ東京((電)03・3520・9913)へ。

 (原隆也)

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