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膵臓がんを早期発見する「尾道方式」…5年生存率、全国推計の3倍

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膵臓がんを早期発見する「尾道方式」…5年生存率、全国推計の3倍
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 発見時には進行しているケースが多く、5年生存率が低い「 膵臓すいぞう がん」を、早期発見する取り組みが、広島県尾道市で成果を上げている。

 地域の中核病院「JA尾道総合病院」と診療所の医師約30人が連携し、糖尿病や肥満などリスクの高い患者について、膵臓の検診をいち早く受けてもらう仕組み。5年生存率は全国推計の約3倍で、「尾道方式」として各地に広がりつつある。

 膵臓がんは、早期では自覚症状がなく、胃や十二指腸に囲まれた場所にあるため検査でも見つけにくい。国立がん研究センターの分析では、がんが周囲の臓器に広がっている状態の「4期」で見つかるケースが43%を占め、5年生存率は7・7%と、胃がん(64・6%)、肝臓がん(32・6%)、大腸がん(71・1%)など、他のがんと比べ最も低い。

 尾道方式は、JA尾道総合病院の花田敬士診療部長(消化器内科)が、尾道市医師会(宮野良隆会長)と連携し、2007年から始めた。

 花田さんらが、市内の開業医に、膵臓がんのリスクが高まる危険因子として、「糖尿病」「肥満」「喫煙」「家族に膵臓がん患者がいる」などがあることを情報提供。開業医は、こうした情報に該当する患者がいた場合、腹部に超音波を当てる検査で膵臓の画像を見て、がんの疑いがある場合はすぐにJA尾道総合病院を紹介する――という診断の基準を作った。同病院では、体内に内視鏡を入れるなどして、より精密な画像でがんの有無を調べた。

 尾道市の人口は約14万5000人で、15年までの約8年半で市民ら約8400人を調べ、約430人で膵臓がんと確定診断した。

 このうち5年生存率が約80%とされる大きさ1センチ以下のがんの「1期」が36人、超早期の「0期」が18人いた。同病院の膵臓がんの5年生存率は、以前はほぼゼロだったが、09年に診断を受けた人のうち、手術などの治療で20%にまで改善。この成果は学会などで注目され、大阪市北区や熊本市、鹿児島市などで同様の取り組みが始まっている。

 花田さんは「膵臓がんは早期発見が勝負。熱意のある医師が協力すれば、亡くなる人はきっと減らすことができる」と話す。

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