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未来貢献プロジェクトシンポジウム「腸内環境から未病を考える」

イベント・フォーラム

[シンポジウム「腸内環境から未病を考える」](1)ゲストスピーチ

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腸で頑張る善玉菌、健康長寿へのカギ

 

 「未来貢献プロジェクトシンポジウム・腸内環境から未病を考える」(読売新聞社主催)が9月14日、東京都港区の品川グランドセントラルタワーで開かれ、約440人が参加した。

 前半は大谷泰夫・前内閣官房参与が、病気になる前段階の「未病」の考え方について解説し、清野宏・東京大学医科学研究所教授が、腸が果たす免疫機能と、腸内細菌の重要性について説明した。後半のパネルディスカッションでは、阿部文明・森永乳業素材応用研究所長とプロフィギュアスケーターの荒川静香さんが加わり、健康長寿社会の実現に向け、腸内環境を整える生活の工夫や取り組みについて、4人で話し合った。

 

 主催 読売新聞社

 後援 内閣府、日本医師会、日本歯科医師会、日本看護協会、日本薬剤師会

 協賛 森永乳業

 

より良い生き方、挑もう…前内閣官房参与・大谷泰夫さん

 

[シンポジウム「腸内環境から未病を考える」](1)ゲストスピーチ

大谷泰夫さん

 「未病」は、健康と病気の間にある中間領域を言う新しい考え方です。健康ではあるけれど、どこか体に心配がある、少し老化を感じるということや、病気になっても元気に生活しているということも多いでしょう。これからの長寿社会の真理は、この未病にあるともいえます。

 健康診断の結果が悪くならないよう食生活や生活習慣を改善したり、足腰を強く保つために運動をしたり、再び病気にならないように注意したりするという主体的な新しい生き方を提唱しています。専門家のサポートや指導も受けることも必要になるでしょう。

 それには企業が生み出す様々な商品やサービスを上手に活用することも大切です。健康産業を発展させることは、先端医療の研究開発推進と共に、国の重要な成長戦略でもあります。

 未病を考える際、知識を持つことも重要です。私が理事長を務める日本健康生活推進協会では、来年2月26日に第1回日本健康マスター検定を始めます。健康への知識を生かし、より良い生き方に挑戦していただきたいと思っています。

 ◇ おおたに・やすお  1953年生まれ。76年、東京大学卒。厚生省(当時)に入省し、医政局長、厚生労働審議官、内閣官房参与などを歴任。現在は国立研究開発法人・日本医療研究開発機構理事を務める。

 

「未病」とは

 

 健康でも病気でもない状態を指す。もともと東洋医学的な考え方で、2000年以上前に書かれた中国の古文書「 黄帝内経こうていだいけい 」には、「名医はすでに生じた病気を治すのではなく未病のうちに治す」との記載がある。江戸時代に儒学者の貝原益軒が書いた健康指南書「養生訓」にも未病という言葉が登場する。

 医療関係者で作る日本未病システム学会は、「自覚症状はないが検査では異常がある状態」と「自覚症状はあるが検査では異常がない状態」を合わせて未病と定義している。

 未病について先進的な取り組みを続けるのが神奈川県だ。2014年1月、未病をキーワードに、食と運動、社会参加を連携させ、病気を未然に防ぐ対策に取り組むと宣言。健康長寿日本一を目指している。

 (2016年9月30日 読売新聞朝刊掲載)

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