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高学歴な電子たばこ愛好者ほど、禁煙に意欲

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高学歴な電子たばこ愛好者ほど、禁煙に意欲

 たばこが体に悪いことは、だれもが知っている。喫煙によるさまざまな健康被害も報告されている。気軽にたばこを吸う感覚を味わえる「電子たばこ」は、喫煙率の低下が期待されるもので、タバコの代用品として利用されている。そんな電子たばこに関する調査結果が、米ジョージア州立大学の研究グループから報告された。同研究グループが行った調査によると、たばこを吸い、かつ電子たばこも利用している人は、禁煙に意欲的であり、高学歴な人ほどその意欲は高いという。調査結果の詳細は、医学誌「Addictive Behaviors」に掲載されている。

たばこと電子たばこ、両方の利用者は禁煙意欲が1.79倍

 電子タバコは、タバコのような形をした吸入器具に液体を入れ、その液体を霧状にして吸引するものだ。液体を水蒸気化する際は、火ではなく電気を使って加熱する。

 喫煙率の低下が期待されるなど、禁煙グッズの一つとして注目されている。また、海外では、ファッションの一部といった側面もあるようだ。

 今回、同研究グループは、2014年に米国内で実施された「たばこのリスクに関する意識調査」に参加した喫煙者1,262人を対象に、禁煙に対する意識の差などを調べた。対象のうち、たばこと電子たばこの両方を利用していたのは248人、たばこしか吸わない人は1,014人だった。

 解析の結果、たばこと電子たばこの両方を利用している人は、たばこだけの人に比べて、禁煙を希望する人が1.79倍多く、過去1年以内に禁煙を試みた人は1.70倍多かった。

 対象者全体で禁煙に対する意欲を見ると、学歴が高卒までの人に比べ、大卒以上の人は、禁煙を望む人が2.46倍多かった。また、白人に比べて黒人で、禁煙の希望者が1.81倍多かった。禁煙に対する意欲には、性、年齢、収入、健康状態による差は見られなかった。

 たばこと電子たばこの両方を吸う人だけで見た場合、学歴が大卒以上の人は、高卒までの人に比べて、禁煙に意欲的な人が4.74倍多かった。さらに、両方の利用者のうち、禁煙に前向きな人は、消極的な人に比べて、電子たばこの利用で健康状態が改善すると考えている人が多かったという。

 同研究グループは、今回の結果を「喫煙者は、たばこを止めたい、または本数を減らしたいとの思いで電子たばこを利用しているようだ。ただ、禁煙に対する意識には、学歴によって差があるようだ」と分析。その上で、「学歴による差をなくすような対策を講じることで、喫煙者に生じる健康格差を減らせるかもしれない」と話している。

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kenkohyakka

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