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宋美玄のママライフ実況中継

医療・健康・介護のコラム

産後ママへの関心が高まってきたようです

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おねえちゃんにごはんを食べさせてもらっている息子です

おねえちゃんにごはんを食べさせてもらっている息子です

 先週で生後10か月となった息子は、毎日バクバクいろんなものを食べます。ニンジン がゆ のように、これおいしくないんじゃないかなあと思うものもすごい勢いで食べるので、小食だけど舌の肥えた娘とは全く違う生き物だと感じます。食べてくれるのはいいのですが、母乳には全然興味がなくなったみたいで離乳寸前。娘は3歳になっても飲んでいたので、まさか1歳を前にこんなことになるとは驚きです。

 このような報道がありました。

産後健診に公費助成、うつ予防など

 産後うつなどの予防のため、厚生労働省は来年度、出産したばかりの母親を対象とした健診への公費助成を始める方針だ。

 心身の不調がある母親を早期に発見し、医師や助産師らによる支援につなげる。

 産後健診は、子どもを産んで2週間後、1か月後などの時期に、出産した医療機関で行う。ただ、実施しているのは一部の市町村にとどまっており、同省は2017年度予算の概算要求に14万人分の助成費用7億円を盛り込んだ。国と市町村が、2回分の健診費用を半額ずつ負担する。

 授乳がうまくいっているか、育児で周囲の支援が得られているかなどを確かめる。産後うつになりやすかったり、子どもを虐待するおそれがあったりする母親には、助産師らが、育児や心身の健康管理のアドバイスを行う市町村の産後ケア事業を紹介したり、精神科の受診を勧めたりする。

(2016年9月21日 読売新聞)

行政が産後ケアの姿勢 一歩前進

 産後健診に対して助成金が出ることになったというニュースです。記事によれば産後うつの予防と拾い上げを主目的としているようです。

 こちらのブログでは何度も産後について取り上げてきました。

 これまで、産後の母親は医療のケアから抜け落ちてきた存在でした。産科医は元気に赤ちゃんが生まれて、母体の出血が止まって傷が治ったら興味の対象外。助産師は主に母乳だけ。新生児科医は赤ちゃんだけ。病院の「退院のしおり」には「授乳中のママは短時間睡眠で疲れが取れるようになっています」などと書かれており、「あなたの疲れは気のせいです。ママになったら赤ちゃんの世話は (つら) くないはず」と言わんばかり。そんな中、行政が産後の母親に対してケアをしますという姿勢を示したことは前進だと思います。

 妊婦さんやママたちから産後が不安だという相談を受けることも多いのですが、夫やその他の家族が無関心だったり、産後についての不安を甘えだと感じていたりすることがよくあるようです。家事は妻の役割と思っている人にとっては、その流れで育児もやって当然だと思っていても当然ですし、一昔前までは「普通」だったので仕方ないことかも知れません。

 以前、静岡県庁でお話しする機会をいただいた時に、産後の母親は、急激にタスク(作業)が増えるだけでなく、女性ホルモンが急激に低下し精神的に不安定になりやすく、骨盤底筋をはじめ身体的に損傷を受け(帝王切開だとさらに損傷は大きいです)、危機的な状態であるということを説明しました。すると、県庁の男性職員の方から「それまでなんとなく甘えているんじゃないかと思っていたけれど、論理的な説明を受けてとても理解できた」という感想をいただきました。様々なアプローチで産後ケアの重要性について今後も伝えて行きたいです。

うまく進むよう、医療サイドの人材育成も

 これまでの母体の産後1か月の健診は、子宮の戻り具合と傷の様子の確認が主でした。今回助成される産後健診は主にメンタル面へのアプローチのようです。それ以外にも産後は骨盤底筋が損傷を受けるため、尿や便・ガスの 排泄(はいせつ) トラブルも多く、性生活への不安や支障がある人も少なくありません。そういったことはなかなか自分から相談したり診察を受けたりしづらいので、産後すぐのタイミングからケアできるようになるといいなと思います。

 産後健診がうまく機能するよう、医療サイドの人材育成も進むことを願っています。

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)。

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3件 のコメント

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まさか自分がなるとは。。。

かなママ

私は、不妊治療で長年ホルモン注射や体内受精など行ってきました。やっと五年目にして体外受精で妊娠。不妊治療のため、仕事も辞めました。だけど本当の理...

私は、不妊治療で長年ホルモン注射や体内受精など行ってきました。やっと五年目にして体外受精で妊娠。不妊治療のため、仕事も辞めました。だけど本当の理由は周りが気を使うだろうと言えず。夫婦だけでかかえてました。それまでは妊娠することばかり考えていたので、幸い体外受精の結果妊娠することができたのですが、まずそこで、そこからどうしたりいいのか分からず。周りはごく当たり前の、ように妊娠生活を送ってます。しかし、私は、体外受精のリスクばかり、考えていました。今考えてみれば、鬱はそこか始まってたんだと思います。そこへ、頼りにしていた義母の膵臓癌が発覚。我が身より義母の看病へ。義母は孫の顔を楽しみに闘病生活頑張ってくれました。そして、いよいよ出産。入院していた病院は、母子同室。他の方は経産婦ばかりで、赤ちゃん泣いているのはうちだけ。看護師さんも忙しくかまってもらえそうになく。私もその頃から明らかにおかしくなってました。赤ちゃんは泣かしたらあかん。ゲップでない。母乳も出ているのか。些細なことだけど初めての事ばかり。聞いても忙しいから答えもらえず。入院中にだんだん声もでなくなり、字もかけず、おかしくなってきました。退院しても義母は病気だし、頼るところなく不安ばかり。早く保健師さんに来てもらえないか電話をしてもなかなか辛さは通じない。あくまで2ヵ月後の訪問が基本だと言われる。なんとかはやめに、きてもらっても赤ちゃんの体重測定して、大丈夫と言われただけ。私の不安は、たまりとうとう顔面硬直
パニック障害となり産後うつだろうと通院開始。まさか私が、なるとは思ってなかったです。なかなか言えない事だけに、まだまだ潜在している方は多いと思います。な、ないのが一番ですが、産後鬱の治療も時間と、お金が、かかります。そのあたりも、なんとか、してもらえないかなと思います。長文で関係ない、話なら申し訳ないです。

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ほんとに

みのーたん

産後の骨盤矯正などのメンテナンスもひっくるめてケアする制度が欲しいですねー。子供の4ヶ月検診時にママの産後のからだを心配して欲しいー。もちろん1...

産後の骨盤矯正などのメンテナンスもひっくるめてケアする制度が欲しいですねー。子供の4ヶ月検診時にママの産後のからだを心配して欲しいー。もちろん10ヶ月検診や1歳半検診でも。
継続して気にかけてもらえることで、不安やうつが良くなるきっかけになるんじゃないかな。

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産後あるある

虹ママ

産後、自分のケアをしてる余裕がないのは、あるあるですね。 子育て経験者である親世代に、「私達はそんなこと言ってられなかった」と言われてしまえば、...

産後、自分のケアをしてる余裕がないのは、あるあるですね。
子育て経験者である親世代に、「私達はそんなこと言ってられなかった」と言われてしまえば、甘えられない。
現に、産後床上げまでとは言わないから、退院後1週間ほどヘルプをお願いしてた義母は、実際産まれると「赤ちゃんの顔見たらホッとしたから、温泉予約しちゃった。2人目だから大丈夫でしょ?」と言われてしまい、とても落ち込みました。
母親だから大丈夫なはず、っていう思い込み、なんとかならないかな。
少しずつでいいから、理解が広まればと思います。

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