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爪先を内向きに歩く10歳児

 孫の男児(10)は歩く時、爪先が約10度、内向きになり、走り方も普通と違い、気になっています。活発で運動もしますが、速く走れません。改善法はありますか。(74歳男性)

「内旋歩行」は主に三つの原因

二見 徹 長野県立こども病院 整形外科部長(長野県安曇野市)

 歩く時に爪先が内向きになることを「 内旋ないせん 歩行」と言います。原因について考える時は、主に三つの部位に着目します。

 まず、足の変形です。足首より下で足が内に向く変形には「内反足」や「内転足」があります。内反足は荷重が足の裏の外側に偏るため、足底にタコができるなどすることがあります。一方、内転足は足の前半分が内向きですが、足底の接地には問題ありません。

 二つ目は膝から下、 下腿かたい がねじれる「下腿 内捻ないねん 」の状態で、内旋歩行が生じやすくなります。通常、うつぶせで両脚を閉じ、膝を直角に曲げて上から足の裏を見ると、両足が平行か爪先が少し開いて「ハ」の字になる人が多いですが、下腿に内捻のある人は、爪先が内向きになります。

 三つ目は、股関節の不具合です。膝の皿の部分を内側に向けて歩いている場合は、この可能性が高いです。股関節付近の 骨頭こっとう から 大腿だいたい 骨にかけては成人で10度程度、前向きにねじれています( 前捻角ぜんねんかく )が、ねじれが大きいと股関節を内旋して歩くことが多くなります。

 三つ目が頻度として高く、国内でも比較的多くみられます。もし骨盤の発育が正常で、前捻角が大きいことによる10度程度の内旋歩行ならば、自分で歩き方を調整していけば大丈夫です。

 このほか、筋肉の偏った働きで内旋歩行になることもあります。原因が分からない場合は、小児専門の整形外科医を受診し、診断してもらってください。

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