タレント キャシー中島さん
一病息災
[タレント キャシー中島さん]皮膚がん(2)明るい家族に救われた
今年1月、東京都内の大学病院。診察室に、医師が集まってきて、右ほおをのぞき込んだ。組織を調べないと、がんの確定はできないが、ただならぬ事態と悟った。
主治医が決まり、説明を聞く中で、自然と、涙があふれた。
がんが怖くて泣いたわけではない。「60歳を過ぎると、そういうこともと思っていました。自分の顔に愛着があったし、傷がつくことを考えたからかな」
組織検査を受けるまでの5日間で、闘病の覚悟ができた。家族のがんを経験したことも大きかった。
2009年、長女七奈美さんを肺がんで亡くした。悪性度の高い小細胞がんというタイプだった。
結婚したばかりの29歳。「代わってあげたい、助かってほしいと祈りながら、弱っていく彼女を見守ることしかできなかった」「家族のがんの方がつらい。自分のがんは自分で納得して、始末をつけられます」
がんと告知された時、もう涙は出なかった。
家族に報告すると、反応は思った通り。夫の俳優勝野洋さんは「ママなら、そのぐらいの傷、チャームポイントになるよ」、長男洋輔さんは「見える場所で良かった。体の中なら手遅れになったかも」。次女 雅奈恵 さんは「大丈夫」と抱きしめてくれた。
どんな時も前向きで明るい家族に救われた。
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タレント キャシー 中島 さん(64)
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