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私のマラソン道

コラム

ポケモン・ランでランニング復活!?

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東京本社メディア局専門委員 東 一眞

踵を壊してしまう

まだ熱心に走っていた2012年の春日部大凧(おおだこ)マラソン

まだ熱心に走っていた2012年の春日部大凧(おおだこ)マラソン

 この連載のタイトルは「私のマラソン道」だが、今からお話しすることは、「道」とは程遠いゆる~い内容だ。要約すれば、かかとを故障してランから離れていた私が、「ポケモン・ラン」をはじめて、それをきっかけにマラソンに復帰する(かもしれない)という話なのだ。シリアス・ランナーの話を読んでモチベーションとアドレナリン値を高めたい方には向かないです。あらかじめ、ゆるい話だと、ご了承ください。

 日記によると、マラソンを始めたのは7年前の2009年10月3日土曜日である。その前日、通勤電車で日経新聞を読んでいたら「マラソン特集」という日経らしからぬ特集記事があり、初心者への手ほどきが載っていた。「ゆっくりとまず30分間ジョギングできるようになろう。それができたら、スピードは上げずに走れる距離を伸ばしていこう」という趣旨だった。その通りやってみたら、徐々に走れるようになった。そして、市民ランナーになった。といっても、月間平均走行距離は100キロ、ゆるく走る「なんちゃってランナー」でしかない。

 2013年9月に出場した田沢湖マラソンで、高低差500メートルのコースの前半、急な下り坂で踵をたたきつけるような走り方をして左足の踵をいためた。よせばいいのにロキソニン(鎮痛剤)を飲んで11月のつくばマラソン、年明け14年1月の勝田マラソンと、フルマラソンの大会に出続けた。それが悪かった。14年の夏になっても秋になっても、踵の痛みが抜けないどころか、悪化していった。練習したくても痛くてかなわない。そのうちランから遠ざかった。

 15年の1年間はほとんど走らず、16年も7月まで走っていない。お腹が少しせり出してきたので、「走らなくては」という思いはあったが、きっかけをつかめずにいた。そして7月22日、「ポケモンGO」が日本でリリースされたのである。

ポケモン・ランをはじめる

コイキングを捕まえたっ!というのはフィクションです。ランニング中にはポケモンを捕まえません

コイキングを捕まえたっ!というのはフィクションです。ランニング中にはポケモンを捕まえません

 実は私、ポケモンに詳しい。もう16年も前、小学1年生だった長男が、当時流行していたゲームボーイのポケモンのゲームに夢中になっていた。どんなゲームかと試しているうちに、私自身もはまった。だから、ポケモンGOが出たとき、うれしくなってアプリをダウンロードした。ポケモンGOは、位置情報を使った野外ゲームだ。ポケモンを探すために歩き回らなければならない。ポケモンの卵をかえすために動き回らなければならない。

 ポケモンGOにおける、ポケモンの「卵」についてお話ししよう。「2km」、「5km」、「10km」の卵がある。卵を孵化ふか装置に入れて卵を孵すのだが、卵に記された距離を歩くか、走るかしなければ孵化しない。規定の距離を移動したら、卵がバリバリと割れて光輝き、そのなかから何らかのポケモンが出てくるのである。電車やタクシーに乗ってもダメである。GPSで移動速度を計測しているらしく、スピードが速すぎたら、移動距離とみなしてくれない。走るか、歩くかが必要だ(自転車でもOKかもしれないが試していない)。

 私はポケモンの卵を見てうれしくなった。なんちゃってランナーの私にとってさえ、10キロ走るのはそれほど苦にならない。そうだ、「ポケモン・ラン」をはじめよう! 卵をたくさん孵せるぞ! これをきっかけにランに復帰できるかもしれないし……。

 自宅の周りにポケストップが4つある。グーグルマップ上で、それら4つを回るコースを描き、距離を測定すると1周で約3キロだった。3周すれば9キロ走れる。ちょうどいい(なお、ポケストップとは、実際の公園などに設定した架空の場所で、ポケストップの標識をスワイプして回せば、ポケモンを捕まえるためのボールや、ポケモンの卵などが降ってくる)。

 ポケモンGOのアプリを起動させ、スマホをラン用のポーチに入れて腰に巻きつけ、おもむろにランに出発する。まず、家から最も近いポケストップまで走る。そこは現実世界では郵便局である。立ち止まって、スマホを取り出し標識を回して、ポケモンの卵やボールをゲットする。スマホをポーチに戻し、2番目のポケストップを目指して走る。2番目のポケストップは公園である。公園に入り、スマホを取り出して、標識を回す。この繰り返しが、我が「ポケモン・ラン」である。走行中にポケモンを捕まえることはしない。あくまで、ランニングに徹する。

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 マラソンやランニングが、ライフスタイルとして定着しつつあります。週末、各地の大会に出かける人も多い中、あなたのオフィスの隣の人がランナーかも? 読売新聞社内のマラソンランナーが、国内外の大会に参加した体験記、トレーニング法、仕事との両立など、マラソンへの思いを語ります。

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